警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官

書籍概要

『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』は日本の著者、梶永正史によるミステリー小説です。この作品は第12回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞しており、八木圭一の『一千兆円の身代金』とともにダブル受賞を果たしました。応募時のタイトルは「真相を暴くための面倒な手続き」でした。著者は、物語の執筆に入る前にキャラクターのモデルとなる俳優を選ぶスタイルを取り入れており、今回の主人公が女優の小西真奈美、もう一人の重要なキャラクターが竹野内豊をモデルにしています。

この作品は2014年1月に発表され、同年の『王様のブランチ』で書籍ランキング4位に初登場、さらにAmazonのミステリー部門でも5位を獲得しました。また、続編の要望も寄せられ、2015年には文庫化され、翌年には続編『警視庁捜査二課・郷間彩香 ガバナンスの死角』が出版されました。2016年には、松下奈緒が主演するテレビドラマが放送され、話題を呼びました。

ストーリー

物語は東京・渋谷で発生した銀行立てこもり事件から始まります。この事件の交渉役として選ばれたのは、警視庁捜査二課の刑事、郷間彩香です。彼女は強行犯捜査とは無縁の職務にいますが、交渉を行うために現場へ駆けつけることになります。彩香は、過去に因縁を持つSIT隊長の後藤と警察庁キャリア官僚の吉田と共に、犯人グループの主犯である國井と対峙することになります。

事件の背景には、想定外の陰謀が広がっており、彩香はその渦に巻き込まれていきます。彼女は、ただひたむきに真実を探し求め、さまざまな困難に直面しながら事件解決へと向かうのです。

登場人物とその関係

郷間彩香

警視庁捜査二課の主任代理であり、32歳の警部補です。ノンキャリアながらも出世を重ねてきており、その過程で女性としての幸せを犠牲にしたと言われています。恋愛には興味津々ですが、職務上の立場からそれを実現できない日々が続いています。産婦人科医として父を癌で亡くした後、一人暮らしをしながら職務に精励しています。

後藤警部

警視庁捜査一課のSIT隊長であり、彩香と険悪な関係にあります。彼の口の悪さや行動が彼女を悩ませますが、職務には情熱を注ぐ人物です。

吉田警視長

警察庁に勤務するエリート官僚で、柔らかな物腰で彩香に接します。事件に介入することになり、まるで彼女の人生のサポート役のような立ち位置にいます。実は、「ブラッド・ユニット」と呼ばれる秘密組織の一員でもあります。

國井元巡査部長

かつて警視庁で捜査に従事していたが、組織の圧力で断念後、独自に捜査を続けていました。本作の立てこもり事件の裏で大きな役割を果たします。

物語を通して、郷間彩香を中心に事件が絡み合い、ミステリーとサスペンスが展開されていく過程は、多くの読者を引き込む要素が詰まっています。彩香の成長や仲間たちとの関係性も力強く描かれており、単なる事件簿ではなく、彼女の人間ドラマとしても楽しめます。

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