護国之寺

護国之寺について

岐阜県岐阜市長良雄総に位置する護国之寺は、高野山真言宗に属する寺院で、山号は雄総山と称されます。この寺院の本尊は十一面千手観世音菩薩であり、美濃三十三観音霊場の第十七番札所としても知られています。また、ここは美濃四国八十八番札所や、美濃七福神の一つである布袋尊も祀られています。

護国之寺はその文化財の豊富さでも有名で、特に国宝として指定されている金銅獅子唐草文鉢がアピールポイントです。この鉢は奈良時代に作られ、表面には美しい金メッキが施され、外面には四頭の獅子と宝相華唐草文が刻まれています。この鉢は、奈良の大仏落慶法要の際に御供物を入れるために使用されたと伝えられています。その他にも、多くの岐阜県および岐阜市が指定する重要文化財が存在します。

沿革

護国之寺の歴史は古く、伝説によれば746年、聖武天皇の命によって行基が開山したとされています。この寺院の設立には、奈良の大仏を造立するために美濃国に使者が派遣されたという興味深い伝説もあります。1580年には火災に見舞われ、その後江戸時代に再建され、現存する建物は元文から宝暦の頃にかけて建立されました。

日野金丸の伝説

この寺に関する興味深いエピソードとして、日野金丸の伝説があります。使者が美濃に来た際、日野金丸という若者に出会い、彼の手によって作られた仏像が大変見事であったため、金丸は奈良に連れて行かれました。大仏建立の責任者となった金丸は、彼の功績を称えられ、釈尊由来の鉢を授与されます。この鉢を収めるために、金丸は護国之寺を設立したと伝えられています。さらに、金丸は後に十一面千手観世音菩薩として本尊となったとも言われています。

御朱印について

護国之寺では、岐阜市の地域活性化団体が企画した「金の御朱印」なる特別な御朱印も発行されています。この御朱印は、毎月最終金曜日に限定され、通常の御朱印とは一線を画した金をあしらった特別なデザインとなっています。

文化財について

護国之寺は多くの文化財を有しており、特にその中の金銅獅子唐草文鉢は国宝に指定されています。また、岐阜県指定の重要文化財として護国之寺宝篋印塔や紙本著色の鷹図六曲屏風、さらに塑造仏頭及び残欠などもあります。

アクセス

護国之寺の最寄りバス停は「おぶさ」で、JR岐阜駅や名鉄岐阜駅からのアクセスが便利です。バスを利用する場合は、いずれも約1分ほど歩いた場所に寺があります。

護国之寺は日本の歴史や文化を感じることができる貴重なスポットで、多くの訪問者に恵まれています。古き良き伝説や文化財に触れ、心を和ませるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

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