谷口留五郎

谷口留五郎の生涯と業績

谷口留五郎（たにぐちとめごろう）は1867年3月23日、現在の奈良県にあたる大和国で生まれた内務官僚です。彼は谷口直満の五男として誕生し、教育を受けた末に1890年に帝国大学法科大学を卒業しました。同年11月には高等試験に合格し、内務省の試補としてキャリアをスタートさせました。

官僚としてのキャリア

谷口は、内務省での初期の仕事として、総務局に配属されました。その後は、鳥取県、長崎県、東京府において参事官としての役割を果たし、その携わった業務の幅は秋田県や福岡県、神奈川県の書記官としての仕事や、神奈川県事務官としての業務に広がりました。1899年には、和仏法律学校を卒業し、法律の専門知識も身につけています。

1906年7月には徳島県知事に就任し、その後岡山県知事を歴任します。彼の知事としての業績は特に1911年から1914年にかけて鹿児島県知事を務めた時期に顕著でした。1914年1月には桜島の大正大噴火が発生し、復旧作業に多大な尽力を注ぎました。その後、福岡県知事に転任し、1919年4月までその職を遂行しました。

栄典と勲章

谷口は、多くの栄典を受けています。1911年6月20日には従四位に叙せられ、1910年には勲三等瑞宝章を授与されるなど、彼の貢献が認められました。続いて、1915年11月には勲二等旭日重光章、同年11月10日には大礼記念章を受け取っています。1920年には勲一等瑞宝章も授与され、1940年には紀元二千六百年祝典記念章を受章しました。また、外国からの勲章も受けており、1905年には大清帝国から二等第二双竜宝星を佩用する許可も得ています。

著作

谷口留五郎は、国民に対して法の重要性を伝えようとする姿勢があり、1890年には『憲法原理』という著書を博文館から発刊しています。この著作は、当時の法の基本的な考え方について解説した重要な文献の一つとされています。

参考文献

彼の生涯や業績については、歴代知事編纂会が編纂した『新編日本の歴代知事』や、秦郁彦が編集した『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』を参照することができます。谷口留五郎のような内務官僚の活動は、日本の法治国家としての基盤を築く上で重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

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