豆焼橋

豆焼橋について

豆焼橋（まめやきばし）は埼玉県秩父市の大滝地区、豆焼川を跨ぐ国道140号の重要な道路橋です。橋は1988年に開通し、その構造や美しさから多くの観光客を惹きつけています。この橋は多くの資料で「豆焼沢橋」とも呼ばれていますが、正式には豆焼橋として知られています。

橋の概要

豆焼橋は秩父多摩甲斐国立公園の普通区域に設置されており、高さ約1,000メートルの山中に位置しています。橋の長さは220メートルで、幅は合計10.75メートル。有効な車道の幅は7.25メートル、歩道は2メートル設けられているため、車両と歩行者の安全を考慮した設計になっています。最も長い支間は149.6メートルで、鋼逆ローゼ橋として分類されています。また、橋の下から川床までの高さは120メートルに達します。

特に勾配についても特筆すべき点があり、橋の車道は1.5%の横割勾配を持ち、歩道は2%の勾配があります。また、橋の向こう側に向かう斜路は6%の上り勾配で、これは江島大橋の勾配とほぼ同じです。これはドライバーにとって走行時の注意が必要なポイントでもあります。

建設の背景と課題

この橋の建設は多くの困難を伴いました。関東山地の厳しい地形の中、国立公園内での施工には自然保護の圧力もありました。1980年には、国道140号の延伸工事が開始され、豆焼川までの区間が整備されましたが、そのルートは複数の変更がなされました。当初の計画ではより小規模な橋を架けることが想定されていましたが、最終的には豆焼橋の構造が採用され、大規模な工事へと進展していきました。

建設主体は埼玉県が行い、施工は三菱重工業がデザインしたケーブルエレクション斜吊り工法で進められました。厳しい自然環境の中での作業は物資の搬入や工事において非常に困難でしたが、1982年には無事に上部工が完成しました。これにより、橋は1988年に開通し、ここに通る国道140号は人々の重要な道路として機能することとなりました。

開通後の状況と周辺環境

豆焼橋の全線開通は1998年で、これに伴い周辺地域へのアクセスが大幅に改善されました。この橋が架かるエリアは「奥秩父の秘境」とも呼ばれ、多くの観光客が訪れる紅葉の名所として知られています。橋にアクセスするためには、近くの「川又」停留所から徒歩で1時間30分の距離を歩く必要があります。

また、開通当初は秩父郡大滝村に位置していましたが、2005年の合併により、現在は秩父市から利用されているため、地元の経済にも寄与しています。更に、橋の耐震基準が開通時のままだったため、2016年には耐震補強工事が行われ、その安全性が向上しました。

名所としての豆焼橋

豆焼橋はその美しさから、国土交通省によって「荒川をめぐる旅100選」の名所にも選定されています。豊かな自然に囲まれたこの橋からの風景は、訪れる人々に感動を与え続けています。今後も多くの人々に愛されるスポットであり続けることでしょう。

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