豊原区 (台中市)

豊原区（フォンユエン/ほうげん/とよはら-く）の概要

豊原区は、台湾中西部に位置する台中市の市轄区であり、台中市政府陽明大楼の所在地でもあります。この地域は、豊かな歴史と多様な文化が息づく場所として知られています。

歴史

豊原の旧名は「葫蘆墩」（ころとん）といい、その起源には複数の説があります。一つは、清代初期に原住民がこの地を「松柏の林」を意味する「泰耶爾墩」と呼んだことに由来するという説です。この「泰耶爾墩」が「葫蘆墩」と音訳されたとされています。もう一つの説は、この地域に小丘が複数あり、その形が瓢箪（ひょうたん）に似ていたため、その形状から名付けられたとする説です。

17世紀後半、台湾に府と県が設置された際、豊原は諸羅県に属しました。18世紀前半には、漢民族による開墾が始まり、福建省からの移住者が集落を形成しました。19世紀後半には、この地に官庁が設置され、豊原は地域の中心地としての地位を確立します。巡府劉銘伝がこの地を訪れた際には、その肥沃な土地と豊富な物産から「富春郷」、また、水質の良さと美人が多いことから「小蘇州」とも称されました。

豊原の開発は、もともと原住民の拍宰海（PAZEHまたはPAZZEHE）族の拠点であった岸裡社（RAHO DO PURU）を中心に進められました。域内には、葫蘆墩、崎仔脚、烏牛欄、翁仔、樸仔籬などの小社が形成されていました。

日本統治時代に入ると、豊原は台湾中部の交通要衝として重要性を増しました。豊原郡が設置され、「葫蘆墩駅」も建設されました。1912年には台湾製麻株式会社が設立され、タバコや黄麻の栽培が行われました。また、八仙山林での木材伐採が始まると、豊原は木材の集積地、加工拠点として工業面でも大きく発展しました。1920年、この地が「コロトン米」の産地として知られるようになったことを機に、内地風の「豊原（とよはら）」という名称に改称されました。

1935年の新竹・台中地震では、豊原も大きな被害を受け、多くの建物が倒壊し、犠牲者も出ました。

第二次世界大戦後、豊原は中華民国に編入され、1950年には台中県の県政府所在地として発展しました。1976年には県轄市に昇格し、2010年の台中県市合併により、豊原区となりました。

経済

かつて豊原の主要産業であった稲作、木材、木材加工、漆工芸品、製麻紡織、タバコ、製靴などは、経済構造の変化により衰退しました。現在では、機械産業と果物栽培が中心となっています。特に、果物栽培は地域経済を支える重要な柱となっています。

行政区

豊原区は、複数の行政区に分かれており、それぞれが地域の特性を反映しています。

教育

豊原区には、以下の教育機関があります。

高級中学
台中市立豊原高級中学
台中市立豊原商業高校
国民中学
台中市立豊原国民中学
台中市立豊東国民中学
台中市立豊南国民中学
国民小学
台中市立豊陽国民小学

交通

豊原区は、交通の要衝であり、鉄道や道路網が整備されています。これにより、台中市内や周辺地域へのアクセスが容易になっています。

観光

豊原区には、以下のような観光スポットがあります。

廟東夜市: 地元のグルメが楽しめる人気の夜市です。
丘逢甲記念亭: 歴史的な人物を記念した場所です。
台中市立葫蘆墩文化中心: 文化的な活動が行われる施設です。
東豊自行車緑廊: サイクリングが楽しめる緑豊かな道です。
后豊鉄馬道: かつての鉄道跡を利用したサイクリングロードです。
豊原慈済宮: 歴史ある寺院です。
南陽広福宮: 古くから信仰を集める廟です。
中正公園: 市民の憩いの場である公園です。
大甲渓鉄橋: 鉄道ファンに人気の高い橋です。

出身有名人

ビビアン・スー: 女優、タレント。
涂阿玉: 女子プロゴルファー。
黄玥珡: 女子プロゴルファー。

出典

Wikipedia

外部リンク

豊原区公所

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