貞子DX

映画『貞子DX』

2022年10月28日に日本で公開された映画『貞子DX』は、Jホラーの金字塔として知られる『リング』シリーズの系譜を受け継ぐ作品です。主演には小芝風花が迎えられ、これまでのシリーズとは趣を異にする、科学と呪いが交錯するミステリー色が強い物語が展開されます。

あらすじ

物語は、見る者を突然死に至らしめるという「呪いのビデオ」に関する怪奇現象が、日本中で同時多発的に発生している状況から始まります。この不気味な現象は、現代社会の進歩、特にインターネットやソーシャルメディアの普及と結びつき、かつてない速度で人々に拡散していく兆しを見せていました。

そんな中、類まれな知能、すなわちIQ200を持つ大学院生であり、メディアにも出演する一条文華（演：小芝風花）は、この不可解な事態に否応なく巻き込まれていきます。彼女に呪いのビデオの解明を求めるのは、人気霊媒師のKenshin（演：池内博之）です。Kenshinは、もし呪いがネットワークを通じて広まれば、人類全体が滅亡の危機に瀕すると切迫した警告を発します。科学的思考を重んじ、「呪いなど非科学的」と断じていた文華でしたが、事態は彼女の理性だけでは片付けられない方向へと向かいます。

文華の妹である一条双葉（演：八木優希）が、好奇心からその忌まわしいビデオを視聴してしまったのです。双葉からの「助けて」という悲痛な電話を受けたことで、文華の平静は崩れ去り、妹を救うという強い動機が彼女を突き動かします。妹の命を救うため、そして全国に広がる呪いの正体を暴くため、文華は立ち上がります。

彼女の危険な調査には、自らを占い師と名乗る風変わりな青年、前田王司（演：川村壱馬）と、その素性が謎に包まれた協力者である感電ロイド（演：黒羽麻璃央）が加わります。彼らはそれぞれの知識や能力を持ち寄り、切迫した時間の中で呪いのメカニズムを解き明かし、貞子の恐怖から逃れる方法を見つけ出すために奔走することになります。従来のホラーテイストに加え、スピーディな展開と謎解きの要素が色濃く描かれているのが本作の特徴です。

主要キャスト

一条文華：小芝風花
前田王司：川村壱馬（THE RAMPAGE）
感電ロイド：黒羽麻璃央
一条智恵子（文華の母）：西田尚美
一条双葉（文華の妹）：八木優希
Kenshin：池内博之
* 天道琉真（Kenshinの父）：渡辺裕之

スタッフ

本作の監督は、ユニークな演出で知られる木村ひさしが務めました。脚本は高橋悠也、そして『リング』シリーズ原作者である鈴木光司が世界観監修として参加しています。音楽は遠藤浩二が担当し、不気味さとサスペンスを盛り上げています。主題歌は三代目 J SOUL BROTHERSによる「REPLAY」が、物語の展開を彩ります。

製作スタジオは角川大映スタジオ、配給および制作はKADOKAWA、製作委員会は2022『貞子DX』製作委員会が組織されました。

公開と評価

日本では全国351スクリーンという規模で公開され、初週の週末興行通信社調べの興収ランキングでは5位にランクインしました。また、海外の映画祭でも注目を集め、第40回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭のCRITICS SELECTION、Fantasia International Film Festival 2022（ファンタジア国際映画祭）でのSELECTION 2022およびワールドプレミア上映、そして第36回リーズ国際映画祭のFanomenon部門で上映されるなど、国際的な評価も得ています。

科学的な視点とオカルトが融合した新たな「貞子」像を描き出した本作は、シリーズファンだけでなく、幅広い観客が楽しめるエンターテインメント作品として位置づけられます。

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