負ける気せんね

負ける気せんね

『負ける気せんね』（まけるきせんね）は、1989年3月21日にビクター音楽産業からリリースされた、阪神タイガースの応援歌です。この曲は当時のよみうりテレビのアナウンサー、辛坊治郎と森たけしがデュエットを務めています。また、日本テレビ系の朝の情報番組『ズームイン!!朝!』でも広く使用されました。

リリースの背景と流れ

当初はレコードとカセットでシングルとして発売され、カセット版にはオリジナルのカラオケも収録されていました。その後、シングルCDとしても販売されるようになり、2003年には『大阪ソウルバラード番外編』に収録されて再発されました。さらに、2012年6月には配信シングルとして再リリースされ、その日にはiTunesの歌謡曲部門で売り上げ1位を記録するなど、一時的に大きな注目を集めました。

曲の使用と影響

この曲は、1989年のシーズン中に阪神タイガースが前日に試合に勝った際に流されていました。具体的には『ズームイン!!朝!』の「プロ野球いれコミ情報」という人気コーナーで、勝敗に応じて異なるBGMが流されるスタイルが採用されていました。負けた場合はB面曲の『ハイハイ敗!!』が使用され、引き分けや試合がなかった時には『六甲おろし』のインストゥルメンタルが流されることになっていました。

1990年度以降は、辛坊が『ニューススクランブル』に移籍したため、森の当番の日だけこのスタイルが続くことになりました。しかし、森が『ズーム』を降板した後は、この曲の使用は少なくなりました。それでも、阪神が「暗黒時代」と呼ばれる苦しい時期にこうした応援歌が用いられたのは、ファンにとって特別な意味を持っていたと言えます。

後に辛坊は『ズームイン!!SUPER』に出演し、阪神のリーグ優勝を祝う際には、再びこの曲が使われることもありました。さらに、2010年からは『朝生ワイド す・またん!』のスポーツコーナーでも、阪神が勝った際のBGMとして利用されるようになり、最近でもMBSラジオの『森たけしのスカタンラジオ』で使われるなど、時代を超えて愛され続けています。

エピソードと印税

興味深いのは、この曲の歌唱印税が辛坊にも森にも入らない仕組みとなっていることです。また、バックコーラスは当時のズームインのディレクター全員が担当していました。作詞作曲を手掛けたおかげ様ブラザーズのきんた・ミーノは、この曲について『負ける気せんね』が「ロック音頭」で、『ハイハイ敗!!』が「マカロニウエスタン演歌」としてのコンセプトがあると述べています。

再評価と現代での使用

2012年に再リリースされた際、森はこの名曲の復活を喜び、iTunesでの1位獲得に驚きを隠せませんでした。一方、辛坊もその快挙に喜び、楽曲が20世紀から21世紀へと受け継がれる重要な位置づけであることを認識していました。関西地区の阪神ファンに特に愛されるコミックソングとして、今後も多くの人々に親しまれていくことでしょう。

収録曲

• - 負ける気せんね
• - ハイハイ敗!!

このシングル及びカセットには、オリジナル・カラオケも含まれています。
また、1999年には松村邦洋と森たけしによるデュエット版も登場し、バージョンが増えることでさらなるファンの支持を得ています。

本楽曲は、阪神タイガースの応援歌としての役割を果たしながら、テレビ番組やラジオでの使用を通じて、時代を超えた名曲として存在し続けています。

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