買物王

買物王（かいものおう）

『買物王』は、1996年4月から10月までフジテレビで放送された深夜のクイズ番組です。番組は架空のデパートである「Mensonge（マンソンジュ）」を舞台にしており、目標は合計金額を100万円にできるだけ近づけることにありました。特に魅力的な点は、並べられている商品が「王様のアイディア」などさまざまなタイアップによるもので、豪華な品ぞろえが視聴者の関心を引きました。

「マンソンジュ」という店名はフランス語で「嘘」を意味し、トレードマークとして羽根の生えた金色の豚が登場します。この豚は欲望の象徴とされ、番組のユニークなキャラクターとして視聴者に愛されました。また、特別番組では君島グループが商品を提供し、店舗での総額が1億円に達するなど、放送当時の話題を集めました。

番組の司会者には小堺一機が「マンソンジュ」の支配人として、岩瀬惠子がアナウンサー役で登場。眼目の榎本加奈子が見習い店員役として参加し、その無礼な振る舞いがエンターテインメント性を高めました。小堺とのやりとりは視聴者にとっての見どころであり、榎本の奇抜な行動は「神田うのが貴婦人に見える」と言わしめるほど印象的でした。

ルールとゲーム内容

最初は視聴者ペアと芸能人ペアを合わせた3チームが戦い、後期には2チーム制に移行しました。初めに行われるのは「La Nedan」と呼ばれる近似値問題で、これに基づいて各チームの買物時間が決まります。また、正解に近いチームは「ゴールドスカーフ」を、遠いチームは「ブラックスカーフ」を獲得し、それによってゲームが有利または不利に進行します。

買物は、各チームが制限時間内に商品を選ぶスタイルで、商品は全て伏せられています。店内は電化製品やファッション、ホビーといった様々なフロアに分かれていて、プレイヤーは最低1品ずつ購入する必要がありました。制限時間が残り少なくなると「ファイナルボックス」が設けられ、観客の反応を聞きながら見積もりを行う緊張感が生まれました。ここでの丁度100万円の達成が目指され、プレイヤーはドボンになるか光栄な結果を獲得するかの運命がかかっていました。

特別編とその人気

番組は特別編として「ザ・バーゲン」や「ザ・セール」を放送し、さらに「激突！ショッピングバトル買物王スペシャル」といったバリエーションもありました。特別編では通常のルールと異なり、芸能人チーム限定や親子チームの企画など多彩な形式が盛り込まれ、毎回新たな視点からの楽しみが提供されました。

スタッフと歴史

『買物王』の制作には、構成を伊藤正宏、プロデューサーを日向栄二、演出を福原伸治が担当しました。フジテレビでの買物ゲーム放送は1966年から1996年の『買物王』まで続き、過去のプログラムからの流れをくむ意味でも重要な位置を占めていました。視聴者にとっては、ただ商品を取るだけではなく、価格を見積もる難しさやスリリングな展開が魅力となった印象を残しています。

『買物王』は深夜番組という枠を超え、多くの視聴者に楽しみを提供した懐かしいテレビ番組として心に残っています。

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