賢忠寺

賢忠寺の概要

賢忠寺（けんちゅうじ）は、広島県福山市の寺町に位置する曹洞宗の寺院であり、山号は南陽山です。この寺院は福山藩主・水野家の菩提寺として歴史を持ち、初代藩主である水野勝成をはじめ、彼に仕えた歴代の墓所が存在します。また、中国三十地蔵尊霊場の第七番札所でもあり、多くの人々に親しまれています。

沿革

賢忠寺は、江戸時代初期の元和8年（1622年）または寛永3年（1626年）に、初代藩主水野勝成が自身の父である忠重の菩提を弔う目的で建立されました。その後、福山城と城下町の建設に伴って、現在の位置へと移転されました。市内の蔵王町には、奥の院として知られる通称福山不動も存在しています。

水野家墓所

水野家の墓所は、賢忠寺の境内からJRの線路を挟んだ北側、福山市若松町に位置しています。ここには初代藩主勝成や、その近臣の殉死者、父の忠重、さらには三代藩主勝貞、四代藩主勝種、五代藩主勝岑の墓があります。元々の墓所はJR山陽本線の敷地内にあり、山陽鉄道が建設された際に現在地へと移されたのです。一方、賢忠寺自体は当初の場所に留まっています。

また、賢忠寺は幼稚園も経営しており、ここで勝成の教えを子供たちに伝える取り組みが行われています。

文化財

賢忠寺には多くの文化財が存在しており、その中でも以下のものが注目されています。

• - 広島県指定史跡：水野勝成の墓
• - 広島県指定重要文化財：

- 絹本著色水野忠重画像
- 絹本著色水野勝成画像
- 革包茶糸威二枚胴具足

その他にも、特筆すべきは徳川家康から寄進された400年前の砂時計です。この砂時計は、オランダ製でアラベスク文様の革を張った六角形の木枠に納められています。白と薄茶色の砂は、落下するのに100分かかります。賢忠寺では、時の記念日にこの砂時計を用いて、幼稚園の子供たちに時間について教える説法が行われています。

拝観情報

賢忠寺の拝観は無料で、所蔵されている文化財の多くは非公開となっています。これにより、訪れる人々に静かな空間を提供し、歴史や文化に触れる貴重な機会を与えています。

最後に、賢忠寺は日本の歴史的な寺院としての意義だけでなく、次世代への教育の場としても重要な役割を果たしています。

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