赤い州・青い州

赤い州と青い州

赤い州（あかいしゅう）および青い州（あおいしゅう）は、アメリカ合衆国における大統領選挙の結果に基づく政党支持の傾向を示す用語です。特に2000年以降、この表現は一般的に使用されるようになりました。赤い州は共和党が優勢な州を、青い州は民主党が優勢な州を指します。

大統領選挙における州の色分け

アメリカでは大統領選挙の際、州ごとの選挙人の全員を獲得する「勝者総取り方式」により結果が決まります。そのため、各候補者の支持を視覚的に示すため、選挙地図が色分けされます。これにより、民主党が勝利した州は青、共和党が勝利した州は赤で表示されます。この色の割り当ては、2000年の大統領選挙によって広く定着したとされています。それ以前には、メディアによって色分けのルールが異なることもありました。

2000年の選挙では、ブッシュ候補が勝利した州は赤で、ゴア候補が勝利した州は青として報じられ、以降この配色が一般的になりました。それ以前の選挙では、たとえば1996年の選挙ではメディアによって色の使い方が異なっていたため、混乱を招くこともありました。

歴史的な背景

保護貿易主義と自由貿易主義、または奴隷制や人種差別といったテーマに関して、アメリカでは南北州間での対立が長い歴史を持っています。1970年代以降は一時的にその対立が収束しましたが、2000年以降の大統領選挙の結果をきっかけに、保守派とリベラル派の対立がより顕著になり、地域による対立も再燃しました。

州内でも地域ごとに支持する政党が異なることが見られ、特に都市部は一般的に民主党が支持される一方、農村部は共和党が支持される傾向があります。このような理由から、郡ごとに「赤い郡」や「青い郡」と色分けして報道されることもあります。

激戦州と紫の州

また、特定の政党への支持があまり強くない州を示すために「紫の州」や「激戦州」という表現が使われています。紫の州は、実際には共和党と民主党の支持が拮抗していることを示しており、そのため選挙結果が予測しにくいとされます。

ミラージュ現象について

選挙報道においては、「レッドミラージュ」と「ブルーミラージュ」という現象も観察されます。これは、開票作業が進む中で、一時的に共和党が優勢に見えるが最終的には民主党が勝利する状況や、逆に民主党が優勢に見えるが共和党が勝利する状況を指します。これらの現象は、投票の集計が進む過程において報道が変動することから生じるものです。

海外での用法

イタリアなど他の国においても「赤い州」という表現が使われることがあり、左翼政権を持つ地域を指すことがあります。これはアメリカに限らず、政治の色分けが各国で共通する部分を持っていることを示しています。

結び

このように、赤い州と青い州という概念はアメリカにおける政党支持のトレンドを視覚的に示し、政治的議論において重要な役割を果たしています。選挙の結果を理解するために、この色分けは非常に有用です。

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