赤ん坊夫人

『赤ん坊夫人』

『赤ん坊夫人』（あかんぼうふじん）は、1969年8月5日から9月9日まで、関西テレビが制作し、フジテレビ系列で放送されたテレビドラマです。全6回のモノクロ放送で、扇雀飴本舗が一社提供しました。

あらすじ

物語は兵庫県芦屋に住む栗原多恵を中心に展開します。彼女は17歳で裕福な夫のもとに嫁ぎましたが、夫を4年前に亡くした後、彼女の生活は大きく変わります。多恵は屋内に閉じこもり、お手伝いやペットの犬と共に、趣味の盆景作りに没頭します。この様子から、周囲からは彼女が「赤ん坊のように素直で世間知らず」と評されることになります。

多恵は適応障害とも言える状態にあり、彼女の世界は夫の思い出とペットたちだけで満たされています。しかし、だんだんと彼女の生活は周囲の人々との関わりによって変化していきます。彼女の妹である栗原千恵や、元秘書の長沢、プロカメラマンの三上孝彦など、さまざまなキャラクターが登場し、彼女の生活に色を加えていきます。

登場人物

• - 栗原多恵（演：京マチ子）: 主人公で、世間から隔絶された生活を送る女性。
• - 長沢（演：高橋悦史）: 多恵の夫の元秘書で、彼女に寄せる感情を抱いている。
• - 三上孝彦（演：天知茂）: プロカメラマンで、多恵に関心を持っています。
• - 栗原千恵（演：土田早苗）: 多恵の妹、彼女の人生に影響を与える存在。
• - ミヨ子（演：春川ますみ）: 多恵の側近的なお手伝い。
• - 中野太一（演：佐々十郎）: 複雑な人間関係に関与する人物。
• - 栗原家のお手伝い（演：吉川雅恵）: 多恵の日常を支える存在。

制作スタッフ

このドラマの脚本は北村篤子が担当し、演出は山像信夫が手掛けました。音楽は渡辺岳夫が担当し、全体的な制作は関西テレビが行いました。

特徴と評価

『赤ん坊夫人』は、登場人物たちの奇妙な人間関係をユーモラスに描くことで、視聴者の共感を呼び起こしました。多恵の内面的な葛藤や周囲とのコミュニケーションを通じて、孤独感や愛の形について深く掘り下げている点が特徴です。このドラマは一見コミカルですが、観る人に人間関係の複雑さや感情の奥深さを考えさせる作品となっています。

総評

当時の視聴者に新しい風を与えた『赤ん坊夫人』は、今なお多くの人に記憶される名作となっています。人との関わりが持つ力や、日常の中に潜むドラマを描いた本作は、世代を超えて親しまれる作品であり続けています。

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