パチスロ『赤ドン』:5号機を代表する人気機種
2007年11月、ミズホが開発し、アルゼが販売した
パチスロ5号機『赤ドン』は、2008年3月末時点で約6万台という驚異的な販売台数を記録した人気機種です。その人気を支えたのは、前作『青ドン』をベースにしながらも、アルゼの4号機人気機種『大花火』をモチーフとした革新的なゲーム性と、数々の魅力的な演出でした。
『大花火』を継承した演出とゲーム性
『赤ドン』は、『大花火』の後継機として開発されました。ボーナス絵柄の「七」は『青ドン』の赤から青に変更され、小役も「氷」から「山」へと変化するなど、『大花火』を彷彿とさせるデザインが採用されています。通常時の演出は『青ドン』をほぼ踏襲しつつ、『大花火』の鉢巻リールを液晶で再現した演出が追加され、新鮮味も加えられています。また、設定差は3種類のビッグボーナスの単独当選率と「三尺玉」に設けられています。
ボーナスとARTのループによる出玉増加
『青ドン』がボーナスのみでコインを増やす仕様だったのに対し、『赤ドン』では、3種類のビッグボーナス後に突入するチャレンジゾーンで15枚役の「三尺玉」を狙うことで、「ドンちゃんゲーム」と呼ばれるART(33ゲーム1セット)に突入します。メーカーはチャレンジゾーンとドンちゃんゲームを合わせて「ATRT」と呼んでいました。
チャレンジゾーンは、チェリー入賞またはボーナス成立で終了します。通常はチェリーの種類がわからないため、3分の1の確率でしか入賞できませんが、ビッグボーナス中に獲得したナビポイントがあれば、成立したチェリーの告知が行われ、狙いやすくなります。このナビポイントを活かし、チェリー入賞を回避することでチャレンジゾーンを継続し、ビッグボーナスとドンちゃんゲームのループによる出玉増加を目指します。これが『赤ドン』独特のゲーム性であり、5号機屈指の出玉性能を実現する鍵となっています。
天井機能と設定
チャレンジゾーン終了後1200ゲームで天井に到達し、強制的にチャレンジゾーンに移行します。天井到達時はナビポイントに関わらずチェリーがナビされるため、目押しミスが無ければボーナス当選までドンちゃんゲームを継続できます。さらに、天井からのドンちゃんゲームでは、8分の1の確率で表示が金色になり、ビッグボーナス当選時に30ポイントのナビポイントが追加される特典があります(ボーナス開始時に「日本一」と表示)。
設定はアルゼ特有の1、4、6、Hの4段階です。設定変更後は内部的にチャレンジゾーンに滞在するため、チェリーを入賞させればゾーンを終了できます。
3種類のビッグボーナスと演出
ボーナスは「青七」「赤ドン」「チェリー付き赤ドン」の3種類のビッグボーナスのみで、獲得枚数は約370枚と全て同じです。演出は「ドンビッグ」「葉月ビッグ」「親方ビッグ」の3種類があり、チャレンジゾーンやドンちゃんゲーム中に当選した場合のみ「親方ビッグ」が登場します。それぞれの演出は、チャレンジゲーム中のチェリーナビポイントの抽選方法が異なります。
・ドンビッグ:葉月スロットが表示され、葉月絵柄が止まったライン数に応じてナビポイントが抽選されます(抽選契機小役は三尺玉)。
・葉月ビッグ:ビッグ終了後のルーレットでナビポイントが表示されます(抽選契機は全小役)。
・親方ビッグ:完全告知で、画面の枠の色や親方の台詞でナビポイント数がわかります(抽選契機小役は1枚役や山)。
さらに、ビッグボーナス中に左リール中段に青七を止めた際にもナビポイント抽選が行われ、設定によって当選確率が変化します。また、どのビッグボーナスでも極低確率でハズレ演出が発生し、その場合は5ポイント以上のナビポイントが抽選されます。
ボーナス終了時の花火演出は「ねずみ」「しだれ柳」「V字」「三連ドン」の4種類があり、「V字」は高設定ほど出現率が高く、「三連ドン」は設定6以上確定となります。
チャレンジゾーンとドンちゃんゲーム
チャレンジゾーンはドンちゃんゲームの抽選を行うゾーンで、ビッグボーナス終了後に必ず突入します。リセット後もこのゾーンからスタートします。通常時と同じリプレイ確率で、チェリー入賞で終了します。ナビポイントがあれば、成立したチェリーが告知されるため、入賞率を高められます。三尺玉入賞でドンちゃんゲームに突入します。
ドンちゃんゲームはRTで、33ゲーム間リプレイ確率が上昇します。チェリーは全て入賞し、その他の小役も通常時と同様に全て入賞させます。演出は横断幕の色や親方の台詞、花火職人たちの台詞、打ち上げ花火などで、通常時と同様の連続演出も発生します。終了後はチャレンジゾーンに戻ります。
『赤ドン』は、ボーナスとARTの巧みな連動、そして多彩な演出によって、多くのプレイヤーを魅了した5号機の名機と言えるでしょう。