赤木智弘

赤木智弘 - 日本のフリーライター

赤木智弘（あかぎ ともひろ、生年1975年8月6日）は、日本におけるフリーライターで、栃木県に生まれ、現在は東京都北区で活動しています。彼は、戦争や貧困問題、男女の社会的ヒエラルキーについて、鋭い視点を持って筆を執っています。

主張

赤木は2007年に「論座」1月号に寄稿した「丸山眞男をひっぱたきたい--31歳、フリーター。希望は、戦争。」というタイトルの文章で、社会に対する自身の苦悩や思索を発表しました。この文章は、2007年10月に出版された著書『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』にも収録され、多くの反響を呼びました。

彼は、フリーターとして低賃金労働をしていた当時、社会の現状に対して強い疑問を抱いていました。「平和な社会」というものが、自身を含む多くの人々にとって屈辱的な生活の延長であると捉え、満ち足りた生活を送る人々にとっての戦争は悲惨さをもたらす一方、失うもののない者にとっては現状を変えるチャンスとして映ると主張しています。赤木にとって、戦争は社会の急変をもたらす手段であり、これまでの価値観を大きく変える可能性を秘めているのです。

赤木は特に、戦時中に上等兵からのハラスメントを経験した「丸山眞男」を引き合いに出し、戦争によって既存の序列が崩れる可能性を論じました。彼自身も、社会的地位を一変させる力を戦争に見出し、ポストバブル世代としての葛藤を表現しています。彼の主張には、当時の文化人や評論家からさまざまな批判が寄せられましたが、それに対して赤木は自身の意見を重ねて反論を行っています。

弱者男性論

さらに、赤木は弱者男性に注目した社会論を展開しています。2006年や2007年に発表した内容では、社会には強者男性、強者女性、弱者女性、弱者男性の4つのヒエラルキーが存在しているとし、特に男性は仕事を通じてのみ評価される一方で、女性は仕事と家事の両方から評価されると指摘します。これにより、男女間における社会的評価のヒエラルキーが存在し、経済的に弱い立場にある男性が見逃されていると主張しました。

彼は、これまでのフェミニストや左派の見解では「女性」や「人種」などに基づいた弱者の認定がされてきたが、実際には経済的弱者の視点が欠かされていると述べています。この状況を改善するためには、強者女性が弱者男性を養うことが一つの解決策だと考えています。

著作

赤木智弘は、多数の著書や記事を執筆しています。代表的な著書には、2007年の単著『若者を見殺しにする国-私を戦争に向かわせるものは何か』（双風舎）があり、その後朝日文庫版が2011年に出版されました。また、後に『当たり前をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』（河出書房新社、2009年）や、他の著者との共著として『経済成長って何で必要なんだろう?』なども発表しています。

赤木の活動は、社会の問題点を浮き彫りにする試みとして、多くの読者に影響を与え続けています。彼の論考は、現代日本社会において深刻な問題を考えるうえでの貴重な視点を提供しており、今後も注目されることでしょう。

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