赤松亮

赤松 亮(あかまつ りょう)/ 赤松 亮司(あかまつ りょうじ)



映画プロデューサー、監督、脚本家俳優、そしてシンガーソングライター。多岐にわたる表現活動を展開する赤松亮(亮司)は、鹿児島県に生まれ、映像と音楽の世界でその才能を開花させてきた。

幼少期を神奈川県横浜市で過ごした後、大阪府交野市へ移り住む。この地で、託児所代わりに通った映画館が、彼にとって映画との最初の、そして決定的な出会いの場となった。様々な作品に触れる中で、映像の世界への強い関心を育んでいく。

小学校2年生から中学校卒業までを過ごした大阪府高槻市では、映画館に通い詰め、年間300本以上もの作品を鑑賞したという。この情熱は、やがて自ら映画を創ることへの興味へと昇華する。東映太秦映画村を訪れた際に、アクション女優の志穂美悦子に自身の熱意を語ったところ、ジャパン・アクション・クラブ(JAC)のオーディションを勧められ、合格するが、両親の反対により入所を断念するに至った。

高校入学を機に三重県名張市へ転居すると、親戚から譲り受けた8ミリカメラを手に、念願だった自主映画製作を開始。その活動は地元の新聞でも紹介されるなど注目を集めた。同級生の河田秀二と共同監督した初期作品「リョウ 荒野の中へ‐」(1983年)では、主演だけでなく、主題歌や挿入歌の制作・演奏も担当。早くも多角的な才能を見せている。

高校卒業後、遂にJACへ入所。大学時代には映画製作と並行して音楽活動も本格的に始め、学園祭やライブハウスでのライブを重ねた。この頃から、映画や音楽の現場では「赤松亮司」という名義を使用することが増える。

JAC在籍中には、盟友である河田秀二監督作品でアクション監督、スタッフ、俳優として多数の作品に関わったほか、大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ専門学校)や日本写真専門学校など、多くの学生の卒業制作映画にも出演している。また、JACのメンバーと共にいくつかのアクション映画を監督し、塩谷庄吾、高木英一、北村修、山口章といった、後に活躍するアクション俳優や監督らを育てた。

1990年、音楽活動に専念するためJACを退所し、新たな事務所へ移籍する。しかし、事務所側がルックスを活かしたタレント活動を強く推したことから、自身の目指す表現の方向性との違いを感じ、短期間で独立。

1991年には、赤松亮司名義でアルバム『To The Mainstreet From The Backstreet』をリリース。インディペンデント流通でありながらも全国発売され、好調なセールスを記録した。翌1992年には、アルバム収録曲を再レコーディングした同名タイトル曲を含む4曲入りシングルを発表。これは当時としては珍しいマキシシングルの形式をとっていたが、収録曲の多くが先行アルバムからの再録であったため、商業的な成功には繋がらなかった。同年、河田秀二監督作『中尾慎司探検隊2』への出演や楽曲提供も行う。また、テレビで話題となった河田監督作品を映画館で上映するプロデュースを手がけるなど、企画・運営面でも力を発揮した。

その後、一時的にサラリーマンとして音楽業界の末端に身を置く期間を経て、奈良県へ移り住む。

1998年からは、奈良に開局したコミュニティFM局、FMハイホーにて番組プロデューサー兼DJを務める。担当した音楽番組“Born To Rock”は、約4年半にわたり熱心なリスナーに支持される長寿番組となったが、マンネリ化を嫌い、自らの意思で番組を終了させた。

2005年、会社勤めに区切りをつけ、再び映画製作の世界へ本格的に復帰。奈良県を舞台にした映画『あかりの里』(2006年、横田丈実監督)では制作プロデューサーを務め、クレジットにはないものの出演も果たしている。2007年には、音のない世界を描いた短編映画『月光』(横田丈実監督)をプロデュースした。また、2010年春公開予定の白鳥哲監督のドキュメンタリー『不食の時代』には、大阪クルーの一員として制作に参加している。

現在(情報時点での言及)、彼はサラリーマン時代の恩師をモデルとした映画『アイム・アライヴ』の製作準備を進めているほか、奈良を舞台にした新たな短編映画の構想、そして長年の創作活動を共にする河田秀二とのセッションイベントなども企画・準備している。

これまでに赤松亮(亮司)が携わった主な作品は以下の通りである。

映画作品(主なもの)



『リョウ 荒野の中へ‐』(1983年):共同監督、主演、主題歌・挿入歌担当
『Happy Hat』(1989年):出演、ガンアクション演出
『中尾慎司探検隊2』(1992年):出演、楽曲提供、アクション監督
『あかりの里』(2006年):制作プロデュース
『月光』(2007年):プロデュース

音楽作品



アルバム『To The Mainstreet From The Backstreet』(1991年)
* シングル「To The Mainstreet From The Backstreet」(1992年)

彼の活動に関わる人物として、河田秀二、横田丈実、白鳥哲らの名が挙げられる。映画、音楽、そして多岐にわたる企画で活躍を続ける赤松亮(亮司)の今後の歩みに注目が集まる。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。