赤池濃

赤池 濃（あかいけ あつし）について

赤池濃は1879年1月27日に長野県埴科郡南条村（現在の坂城町）に生まれました。彼は東京府立一中、第一高等学校を経て、1902年に東京帝国大学法科大学法律学科を卒業し、内務省に入省します。最初は京都府に配属され、内務部第一課に勤務しました。

職歴の歩み

赤池は内務省でのキャリアを重ねる中で、福島県、滋賀県、愛知県、兵庫県などで地方官としての経験を積んでいきました。1904年には内務属として内務大臣官房秘書課に配属され、誕生した内務省の重要な役割の一端を担います。1913年には内務省に戻り、内務書記官に就任しました。その後も地方局府県課長や内務監察官などの職を歴任し、1918年には静岡県知事に任命されます。

1919年には朝鮮総督府に転任し、内務局長や警務局長を務めました。1922年には内閣拓務局長官に就任、同年10月からは警視総監に任命されています。特に関東大震災が発生した際には、抗議の声を上げる中で6日後に辞任するという決断を下しました。その後、貴族院勅選議員になり、1924年に再び警視総監に就任しますが、最終的には同年6月に退任しました。

人物的特性

赤池の思想には反ユダヤ主義が色濃く影響していました。彼は「日本民族会」や「国際政経学会」といった団体に参加し、反ユダヤ主義や陰謀論についての研究を行っていました。また、貴族院内でフリーメイソンに関する質問を行ったこともあり、その姿勢は当時の政治家としては異彩を放っていました。

著作活動

赤池はまた著述家としても知られています。彼の著作には『孔子 - 万世の師』（1928年）、『政教より観たる論語新釈』（1930年）、『明の君臣の亡命と其の庇護』（1938年）、『支那事変と猶太人』（1939年）などがあります。これらの著作は彼の思想や見解を反映しており、彼の政治的立場や世界観を理解する手助けとなります。

家族

赤池濃には子供もあり、長男の赤池健は内務省の官吏として活動しました。また、長女の詫摩和子は医師の名家に嫁いでいます。

結論

赤池濃は内務官僚としての職務を全うしながら、一方でその思想には物議を醸す部分も含まれている人物でした。彼のキャリアは、当時の日本の政治的環境と密接に関連しており、その影響力は今なお語り継がれています。1945年9月10日に亡くなりましたが、彼の遺した業績や思想は日本近現代史の一部として重要な位置を占めています。

もう一度検索