走島

走島（はしりじま）

走島は、瀬戸内海に浮かぶ芸予諸島の中でも特に魅力的な無人島です。広島県福山市の鞆の浦から南東に約6kmの距離にあり、周囲には袴島や宇治[[島]]といった無人島が存在します。島は面積2.13km²で、周囲の長さは約8.8km、最高峰には180mの高山があります。急傾斜の地形が特徴で、集落は本浦、唐船、浦友の3地区に分かれています。2010年の時点で、走島には約570人が住んでおり、その大半が高齢者という状況で、高齢化率は57.9%に達しています。また、人口は2000年から2010年の間に約27%減少しました。

走島の主要な産業は水産業であり、特に中・小型漁船を使った漁業が盛んな地域です。網漁業や海苔の養殖が主要な作業ですが、最近では高級魚の漁獲量が減少しており、代わりにカタクチイワシといった多獲性魚の漁業が主流となっています。島内の水産加工場は狭いため、漁獲物の加工が遅れ、ほとんどが未加工のまま出荷されています。この背景には、漁業に従事する人の59.3%が第1次産業に携わっているにもかかわらず、第2次産業での就労者が非常に少ないことがあります。

上下水道は福山市からの海底送水管によって安定的に供給されており、漁業シーズンには水の需要が増えます。医療機関も存在し、診療所には医師1名、看護師3名が常駐しています。しかし、福山市が作成したハザードマップによると、島内は波浪や急傾斜に対する危険があります。

歴史的背景

走島の名前の由来にはいくつかの説があります。古い時代には「犇島」と呼ばれていたとも言われています。江戸時代には、村上氏によって支配されていたことが documented されています。元和5年（1619年）には、備後福山藩主の水野勝成がこの島を重要な防衛拠点として見込み、村上氏に権利を与えました。

村上太郎兵衛義光は、農家や漁業者を連れて入島し、走島村上氏として並々ならぬ繁栄を遂げました。

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