起終点駅 ターミナル

概要

『起終点駅 ターミナル』は桜木紫乃による2012年の短編集で、釧路市を含む北海道が主要な舞台です。この作品は、同名の短編小説が表題作となっており、2015年には映画化もされました。映画は篠原哲雄が監督を務め、観客に深い感動をもたらしました。

収録作品

本書には以下の短編が収録されています。

• - かたちないもの
• - 海鳥の行方
• - 起終点駅（ターミナル）
• - スクラップ・ロード
• - たたかいにやぶれて咲けよ
• - 潮風（かぜ）の家

この短編集は、さまざまな人生の断片を通じて人間の複雑な感情を描写しており、深い余韻を残します。

書誌情報

• - 単行本: 2012年4月16日発行、出版社: 小学館、ISBN 9784093863186
• - 文庫本: 2015年3月6日発行、出版社: 小学館文庫、ISBN 9784094061369

映画化について

映画版『起終点駅 ターミナル』は2015年11月7日に公開され、東京国際映画祭ではクロージング作品としても注目されました。この映画は原作に大きな脚色が加えられており、物語の中心に位置するキャラクターの成長や人間関係が新たな視点で描かれています。特に、原作で印象的だった料理シーンも映画において効果的に使用されています。

あらすじ

主人公の鷲田完治は、25年前に不倫相手を自殺で失った過去を抱え、孤独な生活を送っています。その影響で離婚し、裁判官の職を辞した彼は、釧路で国選弁護人としてひっそりと日々を過ごしています。かつての恋人を思い出しながら、連絡を取ることもなく、長い間音信不通だった息子の結婚の知らせも受け流す生活。そんな完治のもとに、敦子という若いホステスが現れます。

敦子は恋人の行方を探していると訴え、完治に助けを求めますが、彼女が抱える問題は思いのほか深刻でした。数日後、敦子が高熱にうなされて倒れ、完治は彼女を実家に連れていくことになります。しかし、敦子の家は誰もいなくなり、荒れ果てていました。さらに、その家の中には覚せい剤で意識を失った敦子の恋人が隠れていたのです。

キャスト

映画では、以下のキャストが登場します。

• - 鷲田完治 - 佐藤浩市（元裁判官の弁護士）
• - 椎名敦子 - 本田翼（孤独を抱え人生に迷う女性）
• - その他には、中村獅童、和田正人、尾野真千子らが名を連ねています。

スタッフ

この映画は、以下のスタッフによって制作されました。

• - 原作: 桜木紫乃
• - 監督: 篠原哲雄
• - 脚本: 長谷川康夫
• - 音楽: 小林武史

受賞歴

映画は評価を受け、以下のような賞を受賞しました。

• - 第40回報知映画賞 主演男優賞（佐藤浩市）
• - 第39回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞（佐藤浩市）

本作は人間関係の葛藤や再生を深く掘り下げており、観る者に強いメッセージを伝える作品です。

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