超電動ロボ 鉄人28号FX

超電動ロボ 鉄人28号FX：セルアニメ最終章を彩る少年探偵団の活躍

『超電動ロボ 鉄人28号FX』は、1992年4月5日から1993年3月30日まで日本テレビ系で放送された全47話のロボットアニメです。これは『鉄人28号』アニメシリーズの第3作目であり、セルアニメによる同シリーズの最終作という重要な位置づけにあります。

未来を受け継ぐ新たな戦いの幕開け

本作は、初代『鉄人28号』の単純なリメイクではなく、第1シリーズの物語を継承した続編として制作されました。舞台は2002年。初代主人公である金田正太郎は中年となり、息子である正人を中心とした少年探偵団を率いる上司として活躍します。旧式化した初代鉄人28号も、物語に重要な役割を果たします。

物語の前半は、金田探偵事務所に所属する5人の少年探偵団と、ゾーン総統率いる悪の組織「ネオ・ブラック団」との戦いが中心となります。後半では、正太郎がインターポール長官に就任。金田探偵事務所は解散し、少年探偵団はインターポール捜査官として、世界各地を舞台に活躍することになります。

玩具とのシナジーと商業的成功

視聴率は必ずしも高くなかったものの、『超電動ロボ 鉄人28号FX』は、関連玩具のヒットによって大きな成功を収めました。1992年5月にタカラ（現・タカラトミー）から発売された同名玩具は、発売1ヶ月で約7万4000体もの売上を記録した大ヒット商品となりました。変形機構を備えたライバルロボット「ブラックオックス」も人気を博し、両者を接続して必殺技「ジェノサイドバスター」を再現できる「バトルジョイントボックス」も年末商戦で発売されるなど、玩具市場において大きな話題となりました。

個性豊かな登場人物たち

金田探偵事務所と金田少年探偵団は、ハイテク犯罪に対抗するため、正太郎が設立した組織です。榊財団の支援を受け、正太郎は自身の経験と知識を継承すべく、少年たちを育成します。

金田正人: 本作の主人公。正太郎の息子であり、鉄人28号FXのメインパイロット。お調子者だが正義感と行動力に溢れています。ネオ・ブラック団に拉致されていた過去を持ち、脱走後にパイロットとして活躍します。
金田正太郎: 前作の主人公。探偵事務所所長として、正人たちを導き、後半ではインターポール長官に就任します。
金田陽子: 正太郎の妻。電子工学・ロボット工学の博士であり、金田探偵事務所の頭脳的な支えとなります。
夏樹三郎: FXの予備パイロット。不良気質ながら正義感の強い少年。正人と衝突するも、次第に友情を育みます。
司元一: エアロトレッカーのパイロット。メカに強く、整備や爆弾処理などを担当します。
仁科詩織: 作戦担当兼営業担当。頭脳明晰で、陽子の補佐役を務めます。
光瀬双葉: マスコット的存在。小柄だが、直感と洞察力に優れた少女。


ネオ・ブラック団は、ゾーン総統率いる悪の組織です。

ゾーン総統: ネオ・ブラック団の首領。正体は謎に包まれています。
デビル火刀: ネオ・ブラック団の真の首領。人間に作られた宇宙開発用のロボットです。
ゾルリック: ゾーンの直属部下。人工生命体で、コミカルな描写も多い人物です。
フランケン・シュタイナー: 不乱拳博士のクローン。ブラックオックスのパイロットとして、正太郎たちに復讐を誓います。
その他幹部: エルビス兄弟、バットラーなど個性豊かな幹部が登場します。

多彩なメカニックと新鉄人シリーズ

本作には、様々なロボットが登場します。

鉄人28号FX: 新開発の超電動システムを搭載した、新たな鉄人28号。
鉄人28号 (旧鉄人): 正太郎の少年時代からの相棒。
鉄人17号フェニックス: 鳥型飛行ロボット。FXと合体して飛行能力を高めます。
ブラックオックス / 鉄人29号OX: フランケンが開発した強力なロボット。FXと互角の戦いを繰り広げます。
鉄人30号ミラクル・ビー: 双葉専用の超小型ロボット。
エアロトレッカー: 鉄人の支援を行う輸送機。


その他にも、新鉄人シリーズと呼ばれる多数のロボットが登場し、世界規模での活躍を描いています。

スタッフと主題歌

本作は、横山光輝を原作に、日本テレビ、ASATSU、東京ムービー新社が制作。園田英樹がシリーズ構成、今沢哲男がチーフディレクターを務めました。主題歌は、長沢ヒロ、清水咲斗子らが担当しました。

賛否両論の評価とその後

横山光輝自身は、本作を酷評したと伝えられています。しかし、玩具の成功や、セルアニメ最終作としての『鉄人28号』シリーズにおける位置づけなど、本作は多くのファンに記憶される作品となっています。現在ではYouTubeで一部エピソードが公開されており、新たな視聴者にもその魅力が伝えられています。

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