超頭脳シルバーウルフ

超頭脳シルバーウルフ

『超頭脳シルバーウルフ』は、原作を金成陽三郎、漫画を越智辺昌義が手掛けた日本の漫画作品です。1991年に講談社の漫画雑誌『マガジンSPECIAL』で読切として発表され、その後連載化。1992年まで連載されました。単行本は講談社から全3巻が刊行されています。1996年には、本作を原案としたテレビドラマ『銀狼怪奇ファイル〜二つの頭脳を持つ少年〜』が放送されました。

あらすじ

物語の主人公は、気弱で目立たない中学生の不破耕助。彼は幼い頃に両親を亡くし、父親の友人である考古学教授・小早川とその娘・冴子と共に暮らしていました。ある日、耕助は事故に遭い瀕死の状態に陥ります。しかし、その時彼の脳波に異変が起こり、驚異的な回復を見せると同時に、髪が銀色に輝き出します。

実は耕助は、頭蓋骨内に2つの脳を持つ特異な存在だったのです。普段は眠っているもう一つの脳が、生命の危機に晒された時や愛する者に危険が迫った時に覚醒し、もう一つの人格「銀髪の耕助」として現れます。「銀髪の耕助」はIQ300以上とも言われる超頭脳と超感覚を持ち、普段の耕助とは全く異なる、冷静沈着で時に冷酷な性格の持ち主です。

物語は、小早川家が古代遺跡の秘密を狙う様々な組織との争いに巻き込まれていく中で、「銀髪の耕助」が「シルバーウルフ」として活躍する姿を描きます。特に、耕助の父を抹殺した天才児選民組織「ローレンツ財団」との戦いが物語の中心となります。

しかし、「銀髪の耕助」の力は、耕助自身の体に大きな負担をかけます。2つの人格のアンバランスさが、肉体と頭脳を酷使し、彼の寿命を削っていくのです。最終的に、「ローレンツ財団」は超古代の最終兵器を復活させ、人類絶滅を企みます。耕助は友を救うために財団の本拠地へ乗り込み、激しい戦いの末に財団の主を倒します。戦いが終わった後、「銀髪の耕助」は永い眠りにつきますが、再び愛する者に危機が訪れた時、彼の銀髪は再び輝き出すと信じられています。

登場人物

不破耕助: 本作の主人公。気弱でドジな少年だが、もう一つの人格「銀髪の耕助」を宿している。
銀髪の耕助: 耕助の中に眠るもう一つの人格。「シルバーウルフ」の異名を持ち、IQ300以上の超頭脳を持つ。
小早川冴子: 耕助の担任教師であり、姉代わりの保護者。面倒見が良く、耕助を大切に思っている。
小早川: 冴子の父で、考古学教授。お人好しな性格で、トラブルに巻き込まれやすい。
ケント・シュナイダー: 「金髪の天才児」と呼ばれる少年研究者。当初は敵対するが、後に耕助と友情を育む。
周 昇竜: ローレンツ財団の一員だったが、後に耕助に協力するコンピュータ理論の天才。
* 総帥: ローレンツ財団のトップ。その正体はロボットである。

テレビドラマ

1996年には、本作を原案としたテレビドラマ『銀狼怪奇ファイル〜二つの頭脳を持つ少年〜』が日本テレビ系列で放送されました。ドラマ版は、主人公の設定や登場人物名こそ共通しているものの、ストーリーや背景は原作とは異なるオリジナル作品となっています。

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