趙賽月

趙賽月（ちょう さいげつ、1118年 - ?）は、北宋の徽宗皇帝の第30皇女として生まれました。夭逝した皇女を除くと、実際には第19皇女にあたります。

彼女は華福帝姫の位を授けられ、皇族としての生活を送っていましたが、その運命は靖康の変によって大きく変わります。靖康の変は、1127年に金軍が北宋の首都開封を陥落させ、徽宗皇帝や欽宗皇帝をはじめとする多くの皇族や貴族が金に連行された事件です。趙賽月もまた、この時に金へと連行された一人でした。

金に連行された趙賽月は、洗衣院という施設で育てられました。洗衣院は、捕虜となった女性たちを収容し、労働を強制する場所でした。そこで厳しい生活を送る中で、彼女は成長していきました。そして成長後、趙賽月は金の皇帝である熙宗に献じられることになります。

天会13年（1135年）5月、趙賽月は熙宗の夫人として迎えられました。さらに皇統2年（1142年）3月には妃に昇格しています。しかし、その後の彼女の動静については詳しい記録が残っていません。

『三朝北盟会編』（1162年完成）という史料によれば、趙賽月は同書の編纂時期までに金で亡くなったとされています。彼女の生涯は、皇女としての栄光から一転、異国での捕虜生活、そして皇帝の妃という複雑なものでした。激動の時代に翻弄された彼女の人生は、史料からわずかに垣間見ることができます。

彼女に関する伝記資料としては、以下のものが挙げられます。

『皇第三十女特封華福帝姫制』：趙賽月が華福帝姫に封じられた際の記録
『靖康稗史箋證』：靖康の変に関する史料
『宋会要輯稿』：北宋の制度や出来事に関する記録
『三朝北盟会編』：北宋、南宋、金の三国間の関係に関する史料

これらの史料を通じて、趙賽月の生涯や当時の社会情勢を知ることができます。

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