趙金奴

趙金奴（ちょう きんど）は、北宋の皇帝、徽宗の二番目の娘として生まれました。母は顕恭皇后王氏であり、兄に欽宗がいます。彼女は、激動の時代を生きた皇女として、その生涯は数奇な運命に翻弄されました。

建中靖国元年（1101年）に永慶公主に封じられ、その後、大観2年（1108年）には栄福公主に改められました。政和3年（1113年）には栄福帝姫に、そして政和6年（1116年）には栄徳帝姫に再授され、左衛将軍の曹晟に嫁ぎました。しかし、平穏な日々は長くは続きませんでした。

靖康の変（1127年）が勃発し、金軍が北宋の首都、開封を陥落させると、趙金奴も他の皇族とともに金に連行されるという悲劇に見舞われました。彼女は、金の皇族である魯王完顔昌の側室となりました。天会8年（1130年）には、金奴は次婦の位を授けられました。

しかし、彼女の苦難はこれで終わりませんでした。天眷2年（1139年）頃、夫である完顔昌が処刑されるという事態に見舞われます。その後、趙金奴は五国城の総監であった習古国王と結婚しました。

その後の彼女の消息は定かではありませんが、『三朝北盟会編』（1162年完成）によれば、同書の編纂時まで金で健在であったと伝えられています。習古国王と死別した後、熙宗の後宮に入れられ、夫人の位を授けられたとされています。激動の時代を生き抜いた彼女の生涯は、多くの謎に包まれています。

参考文献
『靖康稗史箋證』
『宋会要輯稿』
『皇第二女特封永慶公主制』
『栄福公主特改封栄福帝姫制』

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