足利市総合運動場陸上競技場

足利市総合運動場陸上競技場

栃木県足利市に所在する足利市総合運動場内に位置する陸上競技場です。足利市が管理・運営しており、園内の中心的な役割を担うとともに、地域におけるスポーツ振興の拠点として多くの市民に利用されています。2022年度（令和4年度）からは、足利ガス株式会社が5年間のネーミングライツを取得したことに伴い、「足利ガスグラウンド」の愛称が親しまれています。

沿革

当競技場の歴史は、第二次世界大戦前の建設計画に遡ります。当初、市は皇紀二千六百年を記念する事業の一つとして、1940年（昭和15年）の完成を目指し、この地に総合運動場の建設計画を進めていました。しかし、戦況の悪化に伴って計画は中断を余儀なくされます。

終戦を迎えた後、改めて整備が進められ、1947年（昭和22年）8月にまず陸上競技場部分が完成しました。この時点では、日本陸上競技連盟（日本陸連）から第3種公認競技場として認められています。

その後、足利市の振興計画に基づき、日本陸連の第二種公認を得るための大規模な改修工事が実施されました。既存の施設を全面的に改修し、1999年3月に現在の姿となってリニューアルオープンを果たします。

利用状況と特徴

1999年の改修以降、当競技場は様々な競技大会の舞台となってきました。特にサッカーにおいては、Jリーグ2部に所属していたザスパクサツ群馬、水戸ホーリーホック、そして栃木SCがホームスタジアムの一つとして公式戦を開催した実績があります。中でも栃木SCの主催試合では、試合終盤に逆転劇や劇的なゴールが生まれることが多く、「足利劇場」という通称でサポーターに記憶されています。しかし、Jリーグが定める試合開催基準が2010年以降より厳格化された影響により、現在ではJリーグ公式戦が当競技場で行われることはなくなりました。また、JFLに所属する栃木シティFCも、過去には当競技場を主催試合の会場として使用していました。

ラグビーにおいても、かつて日本最高峰のリーグであったジャパンラグビートップリーグの公式戦が開催されたことがあります。その他にも、地域の陸上競技大会やサッカー、ラグビーなどの試合、学校行事などに広く利用されています。

足利市総合運動場内には、当陸上競技場の他にも、プロ野球の公式戦が開催されたこともある硬式野球場（足利市総合運動場硬式野球場）など、複数のスポーツ施設が整備されており、地域住民のスポーツ活動を支える総合的な拠点となっています。

施設概要

陸上競技場としての主要な施設は以下の通りです。

収容人数: 7,500人
座席数: 3,500席（メインスタンドのみ固定席、その他は芝生席）
フィールド内面積: 7,397m²
トラック: 1周400m、全天候型8レーン
ゴムチップウレタン舗装が採用されています。
照明設備: 100～300ルクス
この照度では、Jリーグや栃木SC主催試合のナイター開催基準を満たさないため、夜間試合は行われません。
その他: 得点板、ギャラリーなどが設置されています。

市民が気軽にスポーツに親しめる場として、また公式大会の会場として、多目的に活用されています。

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