足柄神社

足柄神社の概要と歴史

神奈川県南足柄市苅野に位置する足柄神社は、古くから地域に根付いた神社です。この神社の創始伝説には、古事記に記された日本武尊の物語があります。日本武尊が東征からの帰路に、足柄峠で山神の白鹿と出会うエピソードは、多くの人々に親しまれています。

足柄神社の創建は、朱雀天皇の時代、天慶3年（940年）に遡ると考えられています。その後、神社は明神ヶ岳や足柄峠、矢倉岳といった場所を移りながら、鎌倉時代の末期に現在の地に落ち着いたとされています。現在でも、矢倉沢講や狩講が存在し、毎年多くの参拝者が訪れて旧跡を訪れています。

社号については、江戸時代の文献では「苅野岩村大明神」や単に「大明神」として記録されており、明治時代に入ってから「矢倉神社」となりました。その後、1929年には重巡洋艦「足柄」の竣工に合わせて、現在の「足柄神社」と改称されました。ちなみに、1873年には日本武尊を祭神とすることに反対する信者たちによって、新たに「足柄明神」が矢倉沢に設けられました。この際、『古事記』での日本武尊と白鹿のエピソードについて、足柄神社側では「白鹿が日本武尊を道に導いた」といった新たな解釈が与えられました。

また、足柄神社は1873年の7月30日に郷社に定められ、1907年には神饌幣帛料供進の神社に認定されました。1929年には、旧日本帝国海軍の重巡洋艦「足柄」の艦内神社に、足柄神社の天照大御神と日本武尊が分祀されました。さらに、2018年には海上自衛隊の護衛艦「あしがら」の就役10周年に伴う祈願祭が行われ、地域の支援に感謝する場となりました。そして2019年には、東日本大震災の影響で損傷した大鳥居が再建され、さらなる信仰の場として復活しました。

祭神

足柄神社に祭られている神々は、天照皇大御神、瓊瓊杵尊、そして日本武尊です。これらの神々を崇拝する行事として、毎年次の祭りが行われています。

• - 3月3日 - 例祭
• - 10月9日 - 秋季祭

足柄神社は、地域の人々や歴史に深く根付いた存在であり、訪れる人たちに神聖な雰囲気を与えています。今後も多くの人々の信仰の対象であり続けることでしょう。

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