足立孫六

足立 孫六（あだち まごろく）

足立孫六は、1843年9月に遠江国城東郡丹野村（現在の静岡県菊川市）に生まれ、1911年7月27日に亡くなった明治時代の著名な政治家である。彼は衆議院議員として2期にわたって活動し、政治界での影響力を持った人物であった。また、実業界でも多くの重要な役割を果たしている。

経歴の詳細

足立は、地元の三橋家に生まれ、後に周智郡平宇村の足立家に養子として迎えられた。和漢学を学び、1873年には浜松県の第二大区小区長に就任した。しかし、1875年には、凶荒の影響を受けて減租を訴えたことから県官と対立し、罷免されるという苦境に立たされる。この時期、彼は協同会を結成し、小作米の基準地価算定論や公選民会の開設を訴えた。

1876年には浜松県の15等出仕となり、同年6月には民会係として浜松県民会の設立に貢献した。しかし、浜松県が廃止された後、故郷へ戻り、遠州州会との買上米請願運動で竹村太郎と共に出願総代人として交渉を成功させた。

1877年には第十一大区長に、1879年には周智郡長に就任し、地域のインフラ整備に尽力。彼はその業績から「道路郡長」として知られるようになった。1889年には大同倶楽部に加盟し、翌年には立憲自由党の結成に貢献。静岡県の常議員として政界での地位を確立した。

1892年には静岡県第5区から衆議院議員に立候補し当選。続く第3回総選挙でも再選され、合計2期の任期を務めた。その後、彼は富士紡績、関西鉄道、九州鉄道など、いくつかの企業の設立に関与し、実業界でもその名を知られるようになった。

親族について

足立の家族もまた、実業界や政治において名を馳せた人物たちである。長男の足立純一郎（1882年生まれ）は実業家として活動し、1908年には慈恵院医学専門学校を卒業。1911年に家督を継ぎ、静岡電気鉄道や東海起業の重役に就任し、静岡県の多額納税者として知られた。また、三女の「みつ」は佐分利一嗣の妻として知られ、彼もまた成田鉄道社長などを歴任した。四女の「たま」は林謙吉郎の妻となり、別の実業家としての人生を歩んだ。

結論

足立孫六は明治時代において政治と実業の両方で重要な役割を果たした政治家であり、その影響力は教育や地域社会の発展にも広がった。日本の近代化の過程において、彼の尽力は多くの場面で際立っていた。

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