車いすの金メダル

車いすの金メダル

概要

『車いすの金メダル』は、1998年の2月2日から3月27日にかけて、TBS系列で平日の昼帯に放送された連続テレビドラマです。この作品は、MBS（毎日放送）が制作を担当し、同局が手がける「ドラマ30」枠でオンエアされました。放送時間は毎週月曜日から金曜日の午後1時30分から午後2時までの30分間でした。全8週にわたって放送される予定でしたが、期間中に開催された長野オリンピックの中継放送の影響を受け、当初の予定から1話分が削られ、結果として全39回での放送となりました。

このドラマは、現実の世界で車いすマラソンの世界記録保持者として活躍した畑中和選手を題材としています。身体的な困難を抱えながらも、前向きに人生を歩む一人の女性の姿が克明に描かれ、多くの視聴者に感動を与えました。

あらすじ

物語の主人公は、銀行の電話交換室で働きながら、日本を代表する車いすマラソン選手でもある「和」です。彼女の人生には、克服すべき壁が立ちはだかります。特に、父である宗彦との関係は複雑です。宗彦は、過去に自身の運転が原因で和が車いすを使うことになったという出来事を深く悔やんでおり、長年にわたりその罪の意識に苦しみ続けています。この父娘の関係性は、ドラマの重要なテーマの一つとして描かれます。

選手としての和の前に、ある日突然、石塚徹也と名乗る一人の男性が現れます。彼は和のマラソンフォームに対して非常に厳しい言葉を浴びせますが、やがて彼の指導のもと、和はこれまでの常識を覆すような、新しい練習の日々を歩み始めることになります。この出会いが、和の選手としての、そして人間としての成長に大きな転機をもたらします。物語は、和が困難を乗り越え、目標に向かって挑戦し続ける姿を中心に、家族の葛藤や周囲の人々との関わりを通して、ヒューマンドラマとして展開していきます。

キャスト

和：藤谷美紀
徹也：中村繁之
原田：草川祐馬
里奈：佐藤綾
高夫：北見唯一
聡美：沢村亜津佐
安江：荒木雅子
熊沢：松澤一之
奈美：奈美悦子
宗彦：大和田獏

スタッフ

原作：高橋幸春『車椅子の挑戦者たち―私の夢を生きるために』
脚本：林千代、杉原邦彦
演出：鈴木晴之、山本実、鐘江稔
主題歌：イルカ「花一輪」
制作：MBS企画

特徴・背景

本作品は、ノンフィクション作家である高橋幸春氏の著作『車椅子の挑戦者たち―私の夢を生きるために』を原作としており、実在の車いすマラソン選手の半生をフィクションとして再構成しています。主人公のモデルとなった畑中和選手は、実際に車いすマラソンで世界記録を樹立した経験を持つ人物です。

「ドラマ30」枠は、社会派のテーマや日常的な人間ドラマを扱うことが多く、本作もハンディキャップを持つ人々の生き方や、家族の絆、困難への挑戦といったテーマを真摯に描いています。主題歌には、シンガーソングライターであるイルカの「花一輪」が使用され、ドラマの世界観に優しく寄り添っています。

全40回予定だった放送回が、長野オリンピックの中継により1回削減されたという背景も、当時の社会情勢を反映したエピソードとして記憶されています。

外部リンク

車いすの金メダル - テレビドラマデータベース

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