車いすアルティメット

車いすアルティメットとは

車いすアルティメット（英: Wheelchair Ultimate）は、フライングディスクを使用するアルティメットという競技を、車いすを使用する選手も楽しめるよう適応させたスポーツです。この競技では、プレーヤーがフライングディスクをパスし合いながら進め、相手チームのエンドゾーンでディスクをキャッチすると得点が入ります。競技自体はチーム対抗形式で行われ、多くの楽しさと戦略が求められます。アメリカ、カナダ、ドイツといった国々でも普及しており、日本では2004年から本格的に活動が始まりました。

競技ルール

国際大会ルール

国際大会での競技は、世界フライングディスク連盟（WFDF）が2021年12月に出版した『Flying Disc Parasport Wheelchair Ultimate』に基づくルールに従って行われます。これにより、世界中の選手が同基準で競技に参加できる環境が整えられています。

日本国内ルール

日本における車いすアルティメットの競技ルールは、2004年以前から試行錯誤が行われてきました。2005年5月24日に発行された著書『フライングディスクをやってみよう -アルティメットの基礎と応用-』では、当時のルールが初めて広く公開されたことで、競技の認知が大いに進みました。さらに、2006年5月号の「ノーマライゼーション 障害者の福祉」でも特集が組まれるなど、段階を追って認知度が高まっていきました。2007年には第6回あいち障害者フライングディスク競技大会で車いすアルティメットのデモンストレーションが行われ、競技の実績が積み上がりました。

コートはバスケットボールコートを利用し、5人制の対抗戦方式を採用しています。そのため、選手同士が連携し合い、戦略を立てる必要があります。また、フライングディスクをパスしあって相手のエンドゾーンでキャッチすることで得点が入りますが、この際に審判を置かないセルフ・ジャッジ制が基本とされています。このルールについても、選手たちの意見を聞きながら常に向上・改善が図られています。

第1回 世界車いすアルティメット選手権大会

2023年に、イタリアのリニャーノ・サッビアドーロで行われた「第1回 WFDF世界車いすアルティメット選手権大会」では、日本からも選手が参加しました。しかし、人数が不足していたため代表チームとしての参加はできなかったものの、2名の障害のある選手と2名の障害のない選手が特別に編成された国際チームとして競技に参加しました。そして、この国際チームは見事、2位を獲得しました。この大会を通じて、車いすアルティメットの国際的な認知度も向上しました。

世界フライングディスク連盟の動向

2023年の大会では、イタリアのWhiteチームが優勝し、日本選手が参加した国際チームが2位入賞を果たしました。この大会の開催は、WFDFにとっても初めての試みであり、国際的なイベントとして位置付けられたことが評価されています。WFDFは、これからも車いすアルティメットの普及に努め、多様な選手にチャンスを提供することを目指しています。FYDFは今後、さらに多くの国際大会を開催し、参加機会を広げる意向を示しています。

まとめ

車いすアルティメットは、競技自体の楽しさだけでなく、チームワークや戦略が重要なスポーツです。日本国内での普及が進む中、国際的な大会でもその素晴らしさが認知されつつあり、今後さらなる成長が期待されます。これからも健常者と障害者が共に楽しめる競技として、親しみを持って支えられていくことでしょう。

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