車上狙い

車上狙いとは

車上狙いとは、自動車に積まれた荷物や車内にある金品を盗む行為を指します。一般的に「車上荒らし」とも呼ばれますが、警察庁の分類では「車上ねらい」と表記されます。ここでは、車上狙いの現状、手口、対策について詳しく解説します。

車上狙いの現状

かつて車上狙いは多発していましたが、近年は減少傾向にあります。法務省と警察庁の統計によると、車上狙いと部品狙いを合わせた件数は、2002年の57万件をピークに減少し、2021年には約3万6千件と過去最低を記録しました。しかし、2022年には行動制限の緩和により外出者が増加した影響で、わずかに増加しています。

狙われる物

車上狙いでは、様々な物が狙われます。車両部品では、ナンバープレートの盗難が最も多く、2021年には盗まれた部品の約4割を占めました。これは、盗んだナンバープレートを他の犯罪に利用することで、警察の追跡を逃れるためと考えられます。その他、カーナビ、カーオーディオ、タイヤ、アルミホイールなども狙われます。近年では、ハイブリッドカーのバッテリーが盗まれる事例も報告されています。

物品では、バッグや財布類が最も多く、車上狙いによる被害の約2割を占めています。次いで、カードや有価証券が多く、運転免許証も一定の割合で被害に遭っています。かつてはカーナビの盗難も多発していましたが、近年は大幅に減少しています。

車上狙いの対策

車上狙いの被害を防ぐためには、以下の対策が有効です。

貴重品を車内に放置しない: 現金やカード類、バッグなどは、必ず持ち歩くようにしましょう。
車両に防犯装置を設置する: カーアラームやイモビライザーなどの防犯装置は、盗難を抑止する効果があります。
駐車場を選ぶ: 明るく、人通りの多い駐車場を選ぶようにしましょう。防犯カメラが設置されている駐車場も有効です。
窓ガラスを強化する: 窓ガラスを割られにくい素材に交換することも、防犯対策の一つです。
* ナンバープレート盗難防止ネジの活用: 特殊な工具でないと取り外せないネジを使用することで、ナンバープレートの盗難を抑制できます。

過去の事例

過去には、著名人が車上狙いに遭う事件も発生しています。1947年には、極東国際軍事裁判で東條英機の弁護人を務めた弁護士が、弁護資料が入ったカバンを盗まれるという事件がありました。

まとめ

車上狙いは、身近な犯罪であり、誰もが被害者になる可能性があります。日頃から防犯意識を高め、適切な対策を講じることで、被害を未然に防ぐことができます。万が一、被害に遭ってしまった場合は、速やかに警察に届け出ましょう。

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