車会党

車会党について

車会党（しゃかいとう）は、1882年10月4日に自由党左派の奥宮健之の指導の下、桜田百衛や人力車夫の三浦亀吉などと共に結成された政治結社です。この団体は後に政党としての色合いを持つようになり、車界党とも称されました。

背景

この結党の背景には、1882年6月25日に開業した東京馬車鉄道があります。この鉄道は新橋から日本橋間を結び、当時の主要な交通手段の一つであった人力車の需要を大きく削減しました。その結果、多くの人力車夫が失業し、社会的な問題が浮上しました。奥宮健之と桜田百衛はこのような状況を受け、無産階級の人々を組織化し、支援することに着手しました。

結成と活動

彼らは、人力車夫の労働条件の改善と権利の主張を目的に、人力車夫の親方である三浦亀吉を説得し、協力を得ることに成功しました。そして、1882年10月4日に神田明神の境内で人力車夫を集めた懇親会を開催しました。この場には300人以上の車夫が参加し、三浦は「車夫と雖ども亦皆同等の人間なり」という言葉で、天賦人権思想と団結の重要性を訴えました。この懇親会では、参加者に多くの酒が振る舞われ、活気ある雰囲気の中で意見交換が行われました。

その後も、彼らは様々な場所で懇親会を開催し、その宣伝活動を通じて車会党の存在を知らしめました。新聞記者による取材や報道も相まって、「車会党」という名称が広まりました。また、11月24日には車夫政談演説会が行われ、結党式も兼ねていたこのイベントには2000人を超える人々が参加しました。

解散

しかし、結党式からわずか4日後の1882年11月28日、奥宮と三浦は官吏職務妨害の容疑で逮捕されてしまいます。この事件は、演説の妨害を試みた警備の巡査に対する暴力行為に起因していました。さらに、翌1883年1月18日には桜田が病死し、これにより車会党は自然とその活動を停止せざるを得なくなりました。

車会党は、帝国議会が開設される明治22年までに結党してから解散したため、衆議院議員を出すことはありませんでしたが、日本初の無産政党とする文献が存在します。この政党の活動を通じて、労働者の権利の重要性や社会問題への関心が高まるきっかけとなったことは、後の日本の政治においても影響を与えました。

参考文献と関連項目

この政党に関する詳細な情報は、絲屋寿雄の著作「自由民権の先駆者-奥宮健之の数奇な生涯」や、新聞記事などから確認できます。また、奥宮健之や桜田百衛といった関連人物の活動についても興味深い内容が多数あります。

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