軍刀利神社 (上野原市)

軍刀利神社（ぐんだりじんじゃ）

概要

山梨県上野原市棡原に立地する軍刀利神社は、長寿と安産の神として知られています。この神社は、かつて日本有数の長寿村である棡原の中心的な信仰の対象であり、武州桧原・相州佐野川・棡原の三地域の総鎮守とされています。三国峠道の一部として、古代より多くの人々が行き交った道に位置し、木材や薪炭などの生産物が運ばれていました。

歴史

明治以降の変遷

明治時代以前、この場所には修験道に由来する軍荼利夜叉明王社が存在し、多くの信奉者を抱えていました。しかし神仏分離令により、修験道が廃止され、その祭神が日本武尊に変更され、現在の軍刀利神社へと改称されました。戦前は出兵前の兵士やその家族が多く参拝する場所でした。

鎌倉・室町時代の信仰

1334年、鎌倉時代の領主新田義貞が軍荼利夜叉明王を祭ったことが記録されています。この信仰は、室町時代に続き、400年以上の歴史を有し、明王社は災害を乗り越えて現在の地に遷座しました。

戦国・江戸時代の神社

軍刀利神社は、戦国時代には武田信玄や岩殿城主からの崇敬を受け、武神としての信仰が厚く、数多くの奉納品が寄せられました。江戸時代には、再建や本殿・拝殿の建立が行われ、地域の中心として機能していました。

祭神とご利益

軍刀利神社は、武神の他にも、縁結びや子宝、安産、厄除け、招福、延命長寿といった多彩なご利益がある神社として知られています。その神聖な雰囲気は、多くの参拝者に親しまれています。

境内の特徴

神社の境内には、日本武尊に由来するモニュメントの剣があり、その背後には1531年に武田氏が戦勝祈願をこめて設置した元社が存在します。また、奥の院には、樹齢500年のカツラがあり、山梨県の天然記念物として指定されています。この樹木は、地元の伝説においても重要な役割を果たしており、その存在は地域の歴史と文化を物語っています。

アクセス

交通手段

• - 鉄道利用: JR中央本線上野原駅下車、井戸行きバス終点下車後、徒歩15分。
• - 自動車利用: 国道20号または首都圏中央連絡自動車道上野原IC下車後、駐車場まで約6.4 km。

社務所横には15台分の駐車場がありますが、初詣やゴールデンウィーク、秋の紅葉シーズンなどの繁忙期には混雑することがあります。

御朱印について

通常、御朱印は祭事の際に授与されるため、訪問時には事前に確認をすることをお勧めします。

その他の情報

神社内には、白旗史朗が寄贈した二か所の銀色の鳥居や、井戸のサイカチと称される古木もあり、これらは多くの訪問者に親しまれています。

正に、軍刀利神社は歴史、信仰、自然が一体となった神聖な空間です。訪れることで、地域の文化や歴史に触れながら、心を癒すことができるでしょう。

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