軍服 (ドイツ国防軍海軍)

ドイツ海軍の軍服の歴史と特徴

ドイツ海軍は1848年、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世によって創設されたプロイセン海軍にルーツを持ちます。海軍の軍服は、第二次世界大戦に至るまで大きな変化が見られなかったため、特にそのデザインやスタイルは魅力的な研究対象となっています。また、他のヨーロッパの海軍と同様に、19世紀のイギリス海軍の影響を強く受けている点も特筆すべきです。部隊は将校、上級下士官、下級下士官、兵に分かれ、それぞれ異なる軍服を持っています。

将校の軍服

勤務服

ドイツ海軍の将校の勤務服には、正式のGrosserと略式のKleinerがあります。略式は開襟型のダブルブレストジャケットで、ネイビーブルーの色合いが特徴です。ジャケットには国家鷲章が右胸に配置されており、階級を示す金線の他、兵科識別章も添えられています。正式な勤務服は、礼服に準ずるフロックコートスタイルとなり、手袋や短剣、勲章を装着することが求められました。

夏季用勤務服

夏には白い勤務服が着用され、異なるデザインの胸ポケットを持ち、肩章が付加されます。

礼服と晩餐服

将校の礼服は、紺のフロックコートとともに正肩章、サーベル、白手袋が特徴です。晩餐用の服装である晩餐服は、丈の短いジャケットとウェストコートが組み合わさっており、フォーマルな夜会用の服となっています。

水兵の軍服

ドイツ海軍での兵と下級下士官には、セーラー服が代表的な軍服です。通常の勤務服として使用され、色は青と白で、白は熱帯用として利用されることが多かったですが、両者を混用することが多いのも特徴です。襟部分には着脱可能なデザインとネッカチーフがあり、左腕には兵科識別章と階級袖章が付いています。

専用ジャケットとピー・ジャケット

水兵服の上に着用するピー・ジャケットは、実際には薄手のウール製です。これにより、従来の水兵服が隠れるようになっていました。ジャケットには階級章が付いており、下級下士官の場合には金色の縁取りがあります。

水兵の正式勤務服

正式な勤務服として、丈が短くダブルブレストの紺色ジャケットを着用し、これには飾りボタンが多数施されています。このパレード用ジャケットは、パレード時に勲章や銃剣を装備する際に用いられました。

潜水艦乗組員の軍服

潜水艦Uボートの乗組員は特殊な環境にいるため、独自のユニフォームスタイルを持ちます。通常、狭い艦内で快適に過ごせるよう開放的な服装が許容されており、私物のカジュアルな服さえ許可されることもありました。陸上では標準的な軍服規定に従うものの、Uボート独自の風潮が色濃く反映されていました。

陸戦部隊の軍服

ドイツ海軍は陸戦任務を行う部隊も保有しており、これらは陸軍の軍服に似たデザインを持っていますが、ボタンや襟章に海軍の特徴が施されています。このため、海軍らしさを際立たせながらも、陸軍のスタイルとの融合が見られます。

オーバーコートと軍帽

オーバーコートはウール製や革製、レインコートが存在し、肩章が付与され、冬場の防寒着として活用されました。制帽、特に海軍制帽には金色の鷲章が付けられ、階級を示すバイザーの装飾も存在します。

終わりに

ドイツ海軍の軍服は、歴史的な背景や文化を反映した独特のデザインが特徴で、軍装史においても重要な位置を占めています。全体を通じて、各階級の服装や持ち物には軍の伝統と誇りが込められています。

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