転輪王教会

転輪王教会について

転輪王教会（てんりんおうきょうかい）は、1866年に今井惣治郎によって創設された新たな宗教団体です。本教は、今井の兄である助造が引き起こした「助造事件」を背景に持ち、天理教からの分派としての特異な位置を占めています。

結成の背景

今井惣治郎が神示を受けたのは、1866年のことです。その後、大和国山辺郡針ヶ別所村（現在の奈良県奈良市）で転輪王教会を開きました。元々は天理教の影響を受けており、信者向けの祈願や祈祷といった活動を主に行っています。また、教会のスタイルは神社神道に似た形式をとっており、「南無転輪王命」という経文が信者間で唱えられています。

1889年には教派神道の御嶽教に所属する教団となり、戦後には奈良市のあやめ池分院に移転しました。しかし、以降は積極的な布教活動があまり見られなくなりました。

教義書である『神のうた』は、天理教の「みかぐらうた」を連想させる内容を含んでおり、天理教からの影響が色濃く残っています。

助造事件

助造事件は天理教の中で最初の分派事件とされており、針ヶ別所村の助造という人物が天理教の中山みきを訪れた際に起こりました。助造は眼病を治すために訪れたのですが、次第に「天理王命の本地は針ヶ別所にある」という独自の解釈を持つようになります。この異説が中山みきの信仰と対立し、意見の食い違いから三日間にわたる口論が続きました。最終的に、助造が謝罪することで事態は収拾されました。

助造は今井新治郎という人物とも関連しており、彼の信仰は非常に強固でした。「扇のさづけ」と呼ばれる特別な加護を持ち、その後、「天輪王教会」を設立。また、教団は官憲からの圧迫を受けるも、1891年に助造が亡くなると教団は長続きしませんでした。

教団の関係性

転輪王教会と助造が設立した「天輪王教会」は兄弟による教団でありながら、現在の転輪王教会ではこれらの関係を否定しています。中山みきが針ヶ別所を訪れたと言われているものの、天理教からの影響や関係は持たないと主張され、独自の形を維持しています。

まとめ

転輪王教会はその誕生から多くの歴史的背景を抱えていますが、現在は天理教からの独立性を強調しており、自己の信仰を守るために活動しています。これからの教団の動向には注目が集まります。

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