辰見敏夫

辰見敏夫：日本の教育心理学の先駆者

辰見敏夫（たつみ としお、1919年3月3日 - 2005年8月5日）は、日本の教育心理学者であり、東京学芸大学の名誉[[教授]]として、長年にわたり教育心理学の発展に貢献しました。彼の業績は、教育現場における心理学の応用を推進し、多くの子どもたちの成長を支える指針となっています。

生涯と学問

辰見敏夫は、東京文理科大学教育学部心理学科を卒業後、東京学芸大学で教鞭を執り、助[[教授]]、教授を歴任しました。1983年に定年退官後も、名誉[[教授]]としてその知識と経験を後進に伝え続けました。彼の専門は教育心理学であり、特に児童心理学、教育評価法、精神衛生など、多岐にわたる分野で研究活動を行いました。

1987年には社会福祉功労厚生大臣表彰を受賞し、1992年には勲三等旭日中綬章を受章するなど、社会的な貢献も高く評価されています。また、厚生省の中央児童審議会家庭児童健全育成対策部会長を務めるなど、政策立案にも深く関与しました。

著書と研究

辰見敏夫は、数多くの著書を執筆し、教育心理学の普及に大きく貢献しました。彼の著作は、教育関係者だけでなく、子育てに悩む保護者にとっても貴重な情報源となっています。

代表的な著書には以下のようなものがあります。

『教職叢書　精神衛生』(1951): 教師向けの精神衛生に関する書籍。
『性格の心理』(1952): 性格心理学の入門書。
『子どものこころ そのしつけかた』(1956): 子どもの心理と躾について解説。
『保育のための知能検査』(1958): 保育現場における知能検査の活用法を紹介。
『子どもの勉教としつけ72章』(1961): 子どもの勉強と躾に関する具体的なアドバイス。
『家庭学習のすすめ』(1973): 家庭学習の重要性と具体的な方法を解説。
『幼少研式辰見ビネー知能検査法』(1989): 辰見が開発した知能検査法。

これらの著書は、教育心理学の基礎知識から、具体的な教育現場での応用まで、幅広い内容をカバーしています。また、共編著も多数あり、他の研究者との連携を通じて、教育心理学の発展に貢献しました。

教育心理学への貢献

辰見敏夫の教育心理学への貢献は、単に知識を伝えるだけでなく、教育現場での実践的な応用を重視した点にあります。彼は、教育評価法の開発や、学力診断法の研究など、具体的な教育活動に役立つツールを提供しました。また、児童心理学の研究を通じて、子どもの発達段階に応じた適切な指導法を提唱し、多くの子どもたちの成長を支援しました。

彼の研究は、教育心理学の分野に多大な影響を与え、今日でも多くの教育関係者や研究者に参考にされています。

参考文献

大泉溥 編『日本心理学者事典』クレス出版、2003年
『家庭学習のすすめ』著者紹介
「東京新聞」2005年8月6日（訃報）

辰見敏夫は、日本の教育心理学の発展に大きく貢献した人物として、その功績は永く記憶されることでしょう。

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