辻岡勝美

辻岡勝美

辻岡勝美氏は、日本の診療放射線技師、そして研究者として知られています。現在、藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科の准教授を務め、CT（Computed Tomography：コンピュータ断層画像）技術開発を専門としています。

経歴

辻岡氏は、もともと藤田保健衛生大学病院放射線部に診療放射線技師として勤務していました。2年目には、タイのカンボジア国境付近の難民キャンプへ医療チームの一員として派遣され、現地の人々の医療に貢献しました。その後、CTの撮影方式として現在標準となっているヘリカルスキャンの原理を、日常生活の中で偶然着想し、研究と実験を重ねて臨床応用できる基礎を確立しました。

ヘリカルスキャンの臨床応用にあたっては、同大学衛生学部診療放射線技術学科（現在の医学部放射線医学講座）の片田和廣氏と共同で研究開発を進めました。近年では、超高速多列検出器を搭載したCTの臨床応用について、同大学病院放射線部主任技師の井田義宏氏らと研究開発を行っています。特に循環器領域では、心拍同期画像再構成法の開発を通じて、心臓の血行性病変の画像診断において、簡便かつ低侵襲な検査技術の確立に力を注いでいます。

大学では、CTを中心に、放射線診断機器や放射線発生装置に関する講義を担当しています。また、非放射線分野では、超音波画像診断機器に関する講義も行っています。

ヘリカルスキャン開発者としての功績

辻岡氏は、日本国内においてヘリカルスキャンCTの開発者として非常に著名であり、世界的にもCT技術の権威として知られています。北米放射線学会（RSNA）での発表も行っており、その技術力は国際的にも高く評価されています。

学歴

1979年：名古屋大学医学部附属診療放射線技師学校卒業
1994年：愛知工業大学工学部電気工学科Ⅱ部卒業
2002年：愛知工業大学大学院工学研究科博士課程修了

職歴

藤田保健衛生大学衛生学部診療放射線技術学科助手
1998年：藤田保健衛生大学衛生学部診療放射線技術学科講師
2003年：藤田保健衛生大学衛生学部診療放射線技術学科准教授（2008年より医療科学部放射線学科に改編）

専門分野

工学博士の学位は取得していませんが、専門分野は、CT技術（特にヘリカルCT）、放射線発生装置（X線管・高電圧発生装置）、超音波画像診断装置、放射線画像工学など多岐にわたります。

辻岡勝美氏は、その卓越した技術力と研究開発への情熱により、医療分野の進歩に大きく貢献している人物です。

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