近代デジタルライブラリー

近代デジタルライブラリーの概要

近代デジタルライブラリー（Digital Library from the Meiji Era）は、国立国会図書館が設立したデジタルコンテンツの提供サービスであり、明治、大正、昭和前期の資料を中心にインターネットで公開しています。この取り組みは2002年10月に始まり、長年にわたり多くの貴重な文献をデジタル化し、広く一般に供されています。

沿革

近代デジタルライブラリーの運営が開始されたのは、著作権が切れた資料や許諾を得た資料を対象にした2002年のことです。その後、2007年には大正期の文献も追加され、2014年には約35万冊の資料がウェブ上で公開されました。特に2010年のサイトリニューアルでは、利用者にとっての利便性が高められ、画像の拡大縮小や移動ができる機能が加わりました。

2011年には、児童書デジタルライブラリーが近代デジタルライブラリーに統合され、さらに資料数が増加しました。2012年には「国立国会図書館デジタルコレクション」との統合によって、インターネットからのアクセスが一層便利になり、フルスクリーンやJPEG表示機能の追加が行われました。2016年には、近代デジタルライブラリーが完全に国立国会図書館デジタルコレクションと統合され、現在はその一部として利用されています。

さらに、2022年には「個人向けデジタル化資料送信サービス」がスタートし、特に署名資料などを個人が利用できる形で提供されるようになりました。この変革により、多くの資料が公の図書館に依存せず、個人の端末に届けられるようになりました。

特徴

近代デジタルライブラリーで提供される資料は、画像データ形式で公開されており、JPEGフォーマットで作成されています。これにより、ウェブブラウザを通じて簡単に閲覧することができます。加えて、書誌情報や目次のテキストデータも提供されており、資料の検索や確認が容易に行えます。

資料検索機能も充実しており、書誌情報や目次情報をテキストデータとして検索することが可能です。2021年からは一部資料においてOCR処理が導入され、文献の全文検索も行えるようになりました。さらに、公開されている資料はPDF形式でダウンロード可能であり、必要に応じて印刷や調整ができます。

ライセンスおよび利用

ライセンスについては、2014年からの規定により「インターネット公開（保護期間満了）」として表示された画像については、出所を示すことで申込みなしに転載が可能となっています。一方で、著作権が残っている資料については、転載依頼を行う必要があります。これにより、使用者は必要な資料を適切に利用することができます。

近代デジタルライブラリーは、情報へのアクセスを一層広げるための重要なサービスであり、多様な資料へのアクセスを可能にしています。国立国会図書館の努力により、歴史的な資料がデジタル化され次世代に伝えられ続けます。

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