近代映画社

近代映画社の概要

近代映画社（きんだいえいがしゃ）は、東京都千代田区に本社を持つ日本の出版社で、1945年に設立されました。設立当初から映画雑誌を中心に発行しており、12月には月刊『近代映画』を創刊しました。この雑誌はその後『Kindai』と改題され、多くの映画ファンに支持されてきました。1946年5月には『スクリーン』を開始し、映画雑誌の専門出版社としての地位を築きました。

メディアコンテンツの多様性

近代映画社は、ファンの需要に応えるために様々なジャンルの雑誌を展開してきました。例えば、同社の主要な雑誌の一つである『近代映画』は、当初邦画情報誌としてスタートしましたが、次第に男女両方のアイドルを扱う誌面にシフトしました。他の出版社、例えば[[キネマ旬報社]]と比較すると、近代映画社はスターの顔写真を毎号表紙にあしらい、より大衆向けの姿勢を貫いていました。

さらに、アダルト分野にも早くから注力しており、『EIGA NO TOMO』はポルノ映画やピンク映画の特集を組むことで人気を得ていました。残念ながらこの雑誌は現在廃刊となっていますが、当時の写真が再編集された書籍や写真集は今も販売されています。また、女性向けアダルトコミック誌『上級恋愛ミント』や関連タイトルも発行していましたが、2011年末の休刊によりこのジャンルから事実上撤退を余儀なくされました。現在は在庫販売のみを続けています。

業績の変遷と経営の苦悩

近代映画社は、近年さまざまな試練に直面しています。出版業界全体がインターネットの普及などの影響で不況に見舞われ、特に東日本大震災後の自粛ムードが広告収入の減少やイベントの中止を招きました。これにより、業績が悪化し、韓流専門誌やパズル誌の発行を通じて新たなコンテンツを模索しましたが、業績は回復しませんでした。

最終的に、近代映画社は2015年6月、出版取次の栗田出版販売に対する不良債権問題を受け、同年10月1日に『SCREEN』『SCREEN+』『BIG ONE GIRLS』の3誌の編集及び発行権を、関連会社に譲渡しました。この際、譲渡先の会社が「新近代映画社」と名乗り、発行を引き続き行っています。旧近代映画社は商号をケーイーに変更し、2015年10月2日に東京地方裁判所へ破産申請を行い、法人格は2016年7月12日に消滅しました。

現在の状況

現在、近代映画社は以下の定期刊行物を発行しています。

• - 『SCREEN』: 洋画に関する総合誌
• - 『BIG ONE GIRLS』: 女性アイドルやアーティストに焦点を当てた雑誌

また、特別な号として『声優プリンセス』も不定期に発行しています。過去には『エルティーン』や『EIGA NO TOMO』、アダルトコミック誌の『エルティーンCOMIC』なども存在しましたが、これらは現在発行されていません。近代映画社の歩みは日本の映画文化とも深く関わっており、今後もその動向が注目されます。

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