近大節

近大節についての詳細

近大節は近畿大学の応援歌として広く知られています。そのルーツは近畿大学の前身である大阪専門学校にさかのぼります。ここでは、近大節がどのように誕生し、学生たちに愛され続けているのかを詳しく見ていきます。

歴史的背景

近畿大学は、大正15年に大阪府中河内郡弥刀村で日本大学専門学校として設立されました。その後、昭和15年に経営分離されて大阪専門学校として独立。しかし、歌われるようになった経緯は、さらに古い時代に根ざしています。明治時代には、近畿地方で様々なバリエーションの歌が存在し、その中には心中事件を題材にした歌も含まれていました。これらの歌は、学校近くの久宝寺地区に設立された大阪専門学校の寮生によって歌われていたと伝えられています。

学摂出陣と報国節の誕生

昭和16年頃、各応援団が乱立していた時期に、大阪専門学校は全学応援団として統一されました。さらに昭和18年、学徒出陣が発令され、学生たちも徴兵検査を受けることとなります。この時期、学生たちは「報国節」という新たな応援歌を作り、これが大阪専門学校報国隊の中で広く歌われるようになりました。この歌は、元の節回しを用いて意気を表現したものであり、学生たちにとって大切な存在となりました。

近畿大学の設立と応援歌の変遷

昭和24年、学制改革により大阪理工科大学と大阪専門学校が統合され、近畿大学が設立されました。このころ、応援団も活発に活動を始め、昭和26年には近畿大学応援団が結成されました。その初期団員たちは、「報国節」の歌詞を改め「近大節」として編曲しました。これにより、近大節が誕生し、今に至るまで活用されています。

全国的な影響

近大節は、全国の大学や高校の応援歌として採用され、多くの学生に歌われるようになりました。その中でも特に有名なのが「日大節」で、近畿大学と日本大学は兄弟校としての交流を持ち、近大節を通じて、様々な歌の交歓が行われてきました。いくつかの団体がこれを歌い、特に学生の愛唱歌として人気を博しました。

歌詞の変遷

近大節はその形を変化させながら現在に至ります。元々の「報国節」では「長瀬の街」が「御國の道」に、「紋付き袴」が「教練服」に変更されるなどの変更が加えられました。また、広島県呉市の工学部でも独自のバージョンが誕生しました。これにより、近大節は地域ごとの特色を反映した応援歌としても愛されています。

現在の近畿大学応援団

近畿大学応援団では、公の場での指揮はリーダー長のみが行い、袴姿で金銀の扇子を用いた型と学生服での型が伝承されています。近大節は、学生たちの心をひとつにするアイコンとなり、大学の文化の一部として親しまれ続けています。

近大節の音楽や歌詞には、学生たちの熱い思いが込められており、今後も多くの世代にわたり歌い継がれていくことでしょう。

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