近田春夫&ビブラトーンズ

ビブラトーンズ（Vibra-Tones）

ビブラトーンズは、1981年に日本で結成されたロックバンドで、その特異なスタイルと音楽性は一時期の音楽シーンに大きな影響を与えました。1984年に解散するまでの短い活動期間の中で、彼らは多彩な楽曲を残し、クールで洗練されたサウンドでリスナーを魅了しました。

バンドの成り立ち

ビブラトーンズは、近田春夫が福岡ユタカや窪田晴男がメンバーであるバンド「人種熱」に参加する形で立ち上げられました。1981年の初め、近田が人種熱のサウンドに感銘を受け、アニメーション映画『悪魔と姫ぎみ』のサウンドトラック製作に関わることで関係が深まりました。3月25日には、この映画のオリジナルサウンドトラックが「人種熱＋近田春夫」名義でリリースされ、バンド活動の第一歩を踏み出しました。

同年秋には、近田が「タレント廃業ミュージシャン専念」と宣言し、ビブラトーンズの結成を発表。初期メンバーは近田、福岡、窪田、岡田陽助、横山英規、矢壁篤信、矢野正道の7人でした。1981年11月25日には、彼らのデビューアルバム『ミッドナイト・ピアニスト』とシングル『金曜日の天使』がリリースされ、正式に音楽シーンに登場しました。

活動の展開

1982年には、近田が平山みきのアルバム『鬼ヶ島』をプロデュースし、「ビブラトーンズ」として演奏や楽曲提供に貢献しましたが、同時期に窪田がバンドを脱退しました。その後、バンドは活動を続け、11月21日にはミニアルバム『VIBRA-ROCK』を発表しました。このアルバムには、後にレナウンのCMソングに採用された『AOR大歓迎』が含まれています。

また、バンドのメンバーの一部は「おピンク兄弟」としても活動を始め、最終的には「PINK」という新しいバンドを結成しました。近田も同時に新たなバンド「ゲートボール」を立ち上げ、音楽活動を続けていました。

解散とその後

1984年1月にビブラトーンズは解散を迎えましたが、その音楽の影響は色あせることはありませんでした。1988年には、彼らの軌跡を集めたベストアルバム『ビブラトーンズFUN』が発売されました。さらに2002年と2008年にも再発売され、その人気の高さを証明しました。しかし、2008年版には『AOR大歓迎』が収録されていないなど、ファンにとっては少し物足りなさが残る形となりました。

ディスコグラフィ

ビブラトーンズの活動は短期間ながらも多岐にわたり、数々のシングルやアルバムがリリースされました。シングル 『金曜日の天使』 や、アルバム『ミッドナイト・ピアニスト』、ミニアルバム『VIBRA-ROCK』などが代表的な作品となっています。

ビブラトーンズの音楽は、今でも多くの人々に愛され、その独特なサウンドは、当時のロックバンドの中でも別格の存在感を持っていました。バンドのメンバーたちのその後の活動や、影響を受けた後続のアーティストたちによって、ビブラトーンズの名は今日でも語り継がれています。

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