近畿大学青踏女子短期大学

近畿大学青踏女子短期大学について

近畿大学青踏女子短期大学は、和歌山県和歌山市に位置していた私立の短期大学で、1972年に設立され、2002年に閉校となりました。設立当初から一貫して英語に特化した教育方法を採用しており、国内外での語学研修を通じて学生の英語力向上に努めていました。

設立の背景と沿革

この大学は、学校法人近畿大学によって設立され、初期の学科では英文科が中心で、入学定員は100名でした。1986年には、御坊市から和歌山市へキャンパスを移転し、当初は安定した経営を続けていました。しかし、1994年から初めて入学者数が減少し、1995年にはさらに少ない44名まで落ち込む事態に直面しました。その後の数年間も入学者数は減り続け、2000年には定員を40名に減らすも、実際の在籍者数はわずか9名となり、経営的にも厳しい状況に陥りました。2002年に正式に廃止が決定され、教育機関としての役割は終わりを迎えました。

教育理念とカリキュラム

近畿大学青踏女子短期大学の建学の精神は、「教育の目的は、人に愛され、信頼され、尊敬される人を育成する」であり、教育において人間性を重視していました。特に英語教育においては、イギリスやアメリカ、カナダでの語学研修が行われ、国際的な視野を持つ学生の育成を目指していました。

「青踏」という名称は、「早春の野に出て、若草を踏み、希望と未来の幸福を思い、明るい無限の光の中を歩む」という意味合いを持っており、学生に未来を見据えた教育方針を示していました。学内イベントとしては、イングリッシュ・フェスティバルや英語劇などが開催され、学生の表現力やコミュニケーション力を育む場となっていました。

学生生活とクラブ活動

学生生活においては、体育系と文化系のさまざまなクラブ活動が盛んでした。体育系には、フライングディスクや柔道があり、特に1993年には全日本学生選手権で入賞する成果も上げていました。また、文化系としては茶道、華道、書道、そして英会話サークル（ESS）など多岐にわたる活動が行われていました。

閉校後の影響とその後の動き

大学が廃校となった後、かつてのキャンパスは近畿大学附属和歌山中学校・高等学校に転用されています。また、学生は近畿大学文芸学部などへの編入学が可能であったため、閉校後も多くの卒業生がその後の進路に進んでいます。大学のカラーとも言える青踏の理念は、多くの学生の心に満ちており、彼女たちの未来を照らしたことでしょう。

近畿大学青踏女子短期大学は、英語教育に重きを置くユニークな短期大学として、多くの学生に影響を与えた歴史的な存在でした。その痕跡は今もなお、学生たちの活躍や学びの場で見ることができます。

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