追い出し猫

追い出し猫：福岡県宮若市の縁起物

追い出し猫は、福岡県宮若市で生まれたユニークな特産品です。その愛らしい姿と込められた意味から、多くの人々に親しまれています。

追い出し猫とは

追い出し猫は、表と裏にそれぞれ異なる表情を持つ猫が一体となった置物です。片方の猫は笑顔で手招きをし、幸せを招き入れるとされています。もう片方の猫は、ほうきを持ち、怒った顔で災いを追い払うとされています。通常は、怒った顔の側を外に向けて飾ります。

この独特な形状は、宮若市に伝わる「追い出し猫伝説」に基づいています。1995年、旧若宮町の特産品委員会がこの伝説を元に試作を重ね、現在の形になりました。1998年には、全国商工会連合会会長賞を受賞し、2012年には宮若市のイメージキャラクターにも認定されています。

追い出し猫伝説

追い出し猫のルーツは、400年以上前の西福寺というお寺に遡ります。当時、寺には大ネズミが住み着き、和尚さんを困らせていました。見かねた飼い猫は、仲間の猫たちを集め、大ネズミと戦い、見事退治しました。しかし、猫たちも力尽き、命を落としてしまいます。和尚さんは猫たちのために猫塚を作り、手厚く供養しました。現在も猫塚は猫塚公園として整備されており、多くの人が訪れています。

現在の追い出し猫

現在、追い出し猫は宮若追い出し猫振興会を中心に生産・販売されています。その人気は地域を越え、サンリオが「ご当地キティ宮若追い出し猫バージョン」を発売するなど、企業とのコラボレーションも行われています。不況の時代には、厄除けや招福の縁起物として特に注目を集め、関連グッズの売り上げも伸びています。

旧若宮町の若宮コミュニティセンター「ハートフル」には、追い出し猫のモニュメントが設置されています。また、JR九州バスのバス停にも追い出し猫のデザインが採用されています。猫塚公園には、追い出し猫の形をしたバス停があり、多くの人が訪れる名所となっています。

追い出し猫の種類

追い出し猫には、さまざまな種類があります。主なものとしては、陶器製の置物、マスコット、ハローキティの携帯ストラップなどがあります。置物の腹の部分には、シールを貼るスペースがあり、追い出したいものや招きたいものを書いて貼ることができます。そのため、開店祝いや新築祝い、見舞い品としても人気があります。受験シーズンには、合格祈願のお守りとしても喜ばれています。

陶器製の置物（サイズ、種類も豊富）
マスコット（土鈴、手のひらサイズ）
ハローキティ携帯ストラップ（合格祈願、厄除けなど）
追い出し猫せんべい
* その他、タオル、Tシャツ、キーホルダーなど

追い出し猫は、宮若市の歴史と文化が息づく、魅力的な特産品です。その愛らしい姿と込められた願いは、多くの人々に笑顔と希望を届けています。

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