追憶 (1973年の映画)

映画『追憶』の概要

1973年に公開された『追憶』（The Way We Were）は、シドニー・ポラックが監督を務めたアメリカの恋愛映画です。本作の脚本はアーサー・ローレンツが担当しており、彼自身の大学時代の経験を基にしたストーリーが展開されています。

主な登場人物

物語は政治活動に情熱を注ぐケイティーと、特に政局に無関心なハベルという、正反対の境遇にある二人の大学時代の出会いから始まります。ケイティーは反戦主義者であり、学生運動に積極的でした。しかし、ハベルは自由気ままなWASP（ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント）であり、彼女とは異なる価値観を持っていました。卒業後、それぞれ異なる道を歩む彼らが再会することとなります。

物語の流れ

第二次世界大戦中、偶然にもニューヨークでハベルと再会したケイティーは、彼と恋仲になります。しかし、ハベルの友人たちの上流階級的な態度にケイティーは馴染めず、一度は別れる危機を迎えながらも、戦後に結婚しました。ハベルは大学時代から執筆活動を続け、やがてハリウッドの脚本家としての道を歩むようになります。

時が経つにつれ、アメリカはマッカーシズムの時代を迎え、ハベルの友人たちとの集まりで赤狩りの監視を受けることが明らかになります。これに影響を受け、ケイティーは再び政治活動に身を投じ、妊娠中にもかかわらず政府に抗議する行動を起こします。これがヒビとなり、彼女の理想主義に疲れ果てたハベルは、学生時代の恋人との浮気をすることになります。

別れと再会

最終的に、彼らは離婚を決意しますが、ハベルはケイティーが女児を無事に出産するのを見届けてから彼女の元を去りました。その後、ケイティーはニューヨークでハベルを見かけて声をかけます。お互いに再婚していた二人は、当時の思い出を語りながら、互いの子供の成長について話します。しかし、ハベルは再会の後も友情の枠を越えることはできず、二人は優しく抱き合い、別れます。

音楽と受賞歴

本作の主題歌「追憶」はマーヴィン・ハムリッシュが作曲し、1973年にリリースされ、バーブラ・ストライサンドが歌い上げました。この曲はアカデミー歌曲賞を受賞し、ハムリッシュもアカデミー作曲賞を受賞しています。映画のサウンドトラックは1974年に発売されました。

余談

2000年にリリースされたDVDには、未公開シーンを含むドキュメンタリーが収録されています。このドキュメンタリーには、ケイティーが運転中に学生運動をしている若者とすれ違う場面や、ハベルとケイティーの別れの理由が異なるカットされたシーンも含まれています。

『追憶』はただの恋愛映画ではなく、個人の信念と社会の変動を巡る深いテーマを描いた作品として、多くの人々の記憶に残り続けています。

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