追手門学院大学いじめ自殺事件

追手門学院大学いじめ自殺事件

2007年6月8日、大阪府茨木市の追手門学院大学に通う在日インド人学生が、神戸市の自宅マンションから飛び降り自殺するという痛ましい事件が発生しました。この事件は、大学側の対応の遅れも重なり、社会に大きな波紋を広げました。

事件の概要

亡くなった学生は、いじめを苦にしていたことを示す遺書を残していました。しかし、大学側は当初、十分な調査を行いませんでした。遺族や一部教員、弁護士などが調査を求めたにもかかわらず、大学側は「大学と小中高のいじめは異なる」「別の弁護士は調査の必要がないと言った」などとして、調査を先送りしました。さらに、遺族の窓口となっていたゼミ担当教授をこの問題から外し、「遺族から要望がなかったので調査しなかった」と主張しました。

事件から約1年後、亡くなった学生の父親も「息子に会いに行く」と言い残し、同じ場所から飛び降り自殺するという悲劇が起こりました。

2010年12月27日、追手門学院大学の理事長は、第三者委員会による調査報告書を公表し、「いじめの存在を否定できない」として公式に謝罪しました。同時に、幹部8人の処分を検討すると発表し、自殺した学生が所属していた経営学部学部長は引責辞任を申し出ました。

いじめの内容

男子学生の友人によると、彼は複数の学生から以下のような、陰湿ないじめを受けていました。

人前でズボンを脱がされる
花火を直接向けられる
イスラム過激派テロリストのウサーマ・ビン・ラーディンの名前をあだ名にされる
「お前をいじることが最近一番楽しい」、「お前を見ているとなんかイライラする」などの暴言を受ける

これらの行為は、被害者にとって精神的に大きな苦痛を与えるものであり、自殺の原因となった可能性が高いと考えられます。

事件の教訓

追手門学院大学では、事件発生日の6月8日を「安全を考える日」と定め、事件の風化を防ぐための取り組みを行っています。この事件は、いじめ問題の深刻さを示すとともに、大学側の迅速かつ適切な対応の重要性を改めて認識させるものとなりました。

この事件を風化させることなく、いじめのない社会を目指し、教訓として後世に語り継いでいく必要があります。

参考

* [追手門学院大学]]「安全を考える日」について - [ウェイバックマシン

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