逆川 (太田川水系)

逆川（さかがわ）の概要

逆川は、静岡県掛川市を中心に流れる二級河川であり、太田川水系の原野谷川へとつながる支流です。この川はその流れの特徴から「暴れ川」とも呼ばれており、頻繁に水害を引き起こすことで知られています。流域の堤防が決壊することから、「かけがわ」という異名を持つようになり、この名称が地域名の「掛川」に影響を与えているとされています。逆川は掛川城のすぐ南側を流れており、かつては自然の堀としての役割も果たしていました。春になると、川に沿って掛川桜が咲き誇り、美しい景観を提供します。

地理的特徴

逆川は、静岡県掛川市の東山にある粟ヶ岳を源流とし、そこから西進しながら激しく蛇行しています。その流路は時折、周囲の他河川とは逆向きの流れを見せ、南東から北西に向かうことがあります。そして最終的には、袋井市愛野地区で原野谷川に合流します。このような特徴的な流れが、逆川が持つ独特の景観や生物多様性へとつながっています。

歴史的背景

逆川の歴史には、さまざまな災害や河川改修の経緯が含まれています。1923年から1932年にかけて、逆川の河川改修が行われました。この時期は、地域の水害対策の一環として重要な措置が取られた時期でもあります。

特に1982年9月には、台風18号による大規模な豪雨が襲い、地域に甚大な影響を及ぼしました。結果として、2,605戸の家屋が被災し、そのうち全壊2戸、半壊2戸、床上浸水が1,173戸、床下浸水が1,428戸に達したのです。また、冠水した農地面積も8.6ヘクタールに及び、被害総額は約57億6,000万円と推算されています。この災害は地域住民に大きな影響を与え、その後の対策として1982年から1987年にかけて特別緊急事業による河川改修が実施されました。

まとめ

逆川は、その美しい自然環境と同時に、水害の歴史を持つ川です。地域の人々にとっては、風光明媚なスポットでありながら、流域住民にとって水害対策が不断の課題でもあります。こうした歴史を経て、逆川は現在も静岡県掛川市の重要な川として、人々の生活や文化に影響を与え続けています。

もう一度検索