逆川 (岐阜県)

逆川（ぎゃくがわ）について

逆川は岐阜県羽島市を流れる重要な河川で、木曽川水系に属し、長良川へ流れ込んでいます。この川の歴史は1586年に遡り、当時の大洪水によって木曽川の流れが変わることで誕生したとされています。かつては羽島市下中町加賀野井付近で木曽川から分かれ、羽島市を横断して北へ向かい、最終的には長良川に合流していました。

この地域では木曽川と長良川が北から南へ流れる地形が特徴的であり、このために逆川という名が付けられました。また、木曽川と長良川の標高差からもこの名前が由来していることが理解できます。この川の近くには竹鼻城があり、その頃は逆川の水を利用して堀が造られていました。

江戸時代になると、羽島市では輪中が発展し、逆川は桑原輪中、足近輪中、正木輪中の境界の役割を果たしていました。この時期、逆川は水運にも利用され、多くの船が行き交っていました。1754年の宝暦治水工事では洗堰が設置され、逆川は木曽川から切り離されたことで、現在の流れが確立しました。

今日の逆川は竹鼻町にて羽島用水と合流し、小熊町では松枝排水路および足近排水路と合わさり、その後逆川排水機場を通じて長良川へと流れ込みます。今もなお、旧流路は駒塚の名神高速道路付近から見られ、羽島毛被近くで羽島用水と再び接続しています。この流域には羽島市中部に広がる農業や生活排水が流れ込んでおり、環境上の観点から生物化学的酸素要求量が高いのが特徴です。

また、羽島市立竹鼻中学校の敷地内には逆川の一部が暗渠化されており、地域の歴史と現代が交差する場となっています。これらの歴史的背景を持つ逆川は、地域の生活や農業に欠かせない存在です。

逆川の史跡

逆川に関する歴史的な遺跡もいくつか存在します。川町湊跡は逆川舟運の重要な拠点であり、過去の水運の繁栄を物語っています。また、石山観音も逆川堤防跡に位置し、石山寺から譲られた木彫りの観音像が祀られています。この他にも、地域に点在する石仏三十三所観音があり、逆川と地域の文化的なつながりを示しています。逆川は単なる水流ではなく、歴史や文化の重要な一部なのです。

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