通販CD

通販CD：通信販売限定の音楽コレクション

通販CDとは、一般のCDショップでは販売されず、通信販売チャネルを通じてのみ購入可能なコンパクトディスクのセット商品です。通常、5枚以上のCDがセットになっており、高価格帯であることが特徴です。その販売方法は、テレビショッピングやラジオショッピングが一般的ですが、雑誌や新聞広告といった紙媒体を通じて販売されるケースもあります。

販売元は、大手レコード会社やその関連会社が中心で、自社が保有する楽曲だけでなく、他社レーベルの音源も収録した多様なラインナップを展開しています。価格帯は、5枚組の場合、1万円を超えるものが多く、1枚当たりの価格は2500円から3000円程度と、単品CDと比較して割高になる傾向があります。

通販CDの歴史：レコード販売からの進化

日本の通販CDの歴史は、1960年代にまで遡ります。1960年、『リーダーズ ダイジェスト』が通信販売によるレコード販売を開始し、『世界の名曲集』を発売。これが、日本の通販音楽メディアの先駆けとなりました。その後、1972年には『日本メールセンター』が通販レコードの販売を開始し、1974年に『日本通信教育連盟』に統合されます。同社がビクターと共同企画で発売した『愛の詩』というポピュラー音楽を収録した10枚組LPは、100万枚を超える大ヒットを記録しました。レコードからCDへとメディアが変化する中で、通販販売という形態は継続され、現在に至っています。

代表的な通販CD作品

長年にわたる通販CDの歴史の中で、数多くの作品がリリースされてきました。その中には、特定のテーマやアーティストに特化したコレクションから、幅広いジャンルの音楽を収録したオムニバス作品まで、多様な内容のものが含まれています。例えば、特定の時代やジャンルを代表するヒット曲を集めたものや、特定のアーティストの楽曲を網羅したコンプリート・コレクションなども存在します。具体的な作品としては、以下のようなものが挙げられます。

音楽のある風景
ベストヒットUSA (テレビ朝日販売)
恋するバラード〜Woman
歌王 演歌名曲120
Believe (通販CD)
J-Love
恋すれど廃盤ベストコレクション

これらの作品は、それぞれ異なる音楽性やターゲット層を想定して企画・制作されており、通販CD市場における多様性を示しています。

主なレーベルとブランド

通販CDの販売には、様々なレーベルやブランドが関わっています。大手レコード会社の子会社や、通販事業を専門とする企業などが、独自のブランドを立ち上げて商品を展開しています。代表的な例として、以下のようなレーベルやブランドが挙げられます。

avex club
saQwa style
Shop Magnifica（旧住商ホームショッピング）

これらのレーベルやブランドは、それぞれ独自の音楽性や商品戦略を持っており、通販CD市場における競争を形成しています。

まとめ

通販CDは、特定の顧客層をターゲットとした、ニッチな音楽市場を形成しています。長年にわたり、テレビショッピングなどを中心に販売されてきたこの市場は、近年ではインターネット通販の台頭により、販売チャネルの多様化が進んでいます。これからも、多様な音楽作品が、この独自の販売形態を通じて、リスナーに届けられていくことでしょう。

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