通霍線

通霍線（つうかくせん）

通霍線は、中華人民共和国内モンゴル自治区の通遼市とホーリンゴル市を結ぶ、全長419kmの貨物鉄道です。主に石炭輸送を目的としており、地域経済を支える重要なインフラとなっています。

歴史

通霍線の建設は1978年5月に開始され、1984年10月に完成しました。当初は単線・半自動閉塞の路線として1989年12月31日に開通しました。

開通当初、通霍線は高地寒冷・水不足・長距離という厳しい環境下での運用を強いられました。そのため、瀋陽鉄道局は石炭列車牽引用に東方紅1型ディーゼル機関車を30台配備しました。その後、1992年からは東風4形ディーゼル機関車に置き換えられました。

2003年以降、輸送能力向上のため10,000トン牽引の検討が開始されました。当初は下り線で空の貨物列車を運行し、上り線で5,000トンの石炭などを牽引することで輸送能力を向上させました。

2006年以降、通霍線は大規模な改修工事が行われました。一部の駅では発着線が延長され、区間ごとに増改築が実施されました。これにより、東風4B形・東風4C形ディーゼル機関車による10,000トン（重連）および15,000トン（三重連）の運行が可能になりました。上り線では10,000トン単位の貨物列車が優先的に運行され、下り線の空列車や旅客列車がこれを避ける形となりました。2007年には、20,000トンの重量列車による試験運行も行われました。

2009年には、HXN3型ディーゼル機関車が導入され、1台の機関車で10,000トンの貨物列車を牽引できるようになりました。さらに2010年には、霍白線と珠珠線の2つの新線が接続され、20,000トン級の大型列車が4編成運行されるようになりました。

2007年8月20日に国務院が公布した「東北地方活性化計画」に基づき、通霍線の輸送能力を更に向上させるための大規模な複線化工事が2009年10月に開始され、2011年8月に完了しました。この工事には36億9,900万元が投資され、自動閉塞が導入され、旅客列車の設計速度は120km/hとなりました。

2016年11月からは電化工事が実施され、2017年に完成しました。錦州機関区と蘇家屯機関区のHXD3B型電気機関車、そして通遼機関区のHXD2型電気機関車が導入され、10,000トンの貨物列車を牽引できるようになりました。電化により、通霍線の年間輸送量は1億トンを超えました。

現在の運行状況

現在の通霍線は、主に石炭輸送を担う重要な路線として機能しています。電化と複線化により輸送能力が大幅に向上し、地域経済の発展に貢献しています。10,000トン以上の貨物列車が頻繁に運行されており、中国のエネルギー輸送を支える大動脈としての役割を果たしています。

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