速水敏彦

速水敏彦: 心理学者・教育学者

速水敏彦（はやみずとしひこ）は、1947年4月10日に生まれた日本の心理学者であり教育学者です。名古屋大学から教育学博士号を取得し、その後、教育心理学の分野に多大なる貢献をしています。彼は現在、中部大学人文学部心理学科の特任教授を務めており、かつては名古屋大学の名誉教授でもありました。

経歴

愛知県出身の速水氏は、1970年に名古屋大学教育学部を卒業しました。その後、1975年に名古屋大学大学院教育学研究科の博士課程を修了し、教育研究の道を歩み始めました。彼のキャリアは大阪教育大学から始まり、助手を経て、講師、さらに助教授となり、1979年に就任しました。

1987年には名古屋大学教育学部の助教授となり、1994年には教授に昇進しました。その後、2000年から2002年まで名古屋大学教育学部附属中学校・高等学校の長を務めるなど、教育界での重要な役割を果たしてきました。2009年には名古屋大学大学院教育発達科学研究科の研究科長及び教育学部学部長を勤め、2012年に中部大学に転任しました。

専門領域と研究

教育心理学が速水氏の専門分野であり、特に現代の若者に見られる感情やモチベーションの変化に関心を持っています。彼は「仮想的有能感」が、若者の感情ややる気に影響を与える要因として重要であると指摘しました。2006年に発表した著書『他人を見下す若者たち』は、彼の研究を世に知らしめる一作となり、多くの議論を呼びました。

受賞歴

速水氏はその研究や教育における業績により、1982年に城戸奨励賞（日本教育心理学会）を受賞したほか、1998年には日本心理学会から研究奨励賞を授与されました。これらの賞は彼の影響力を如実に物語っています。

主な著書

彼の著作には共著や編著も含まれ、多岐にわたる教育心理学のテーマが取り上げられています。代表作には、1986年の『わかる授業の心理学』や、1995年の『動機づけの発達心理学』、そして2006年の『他人を見下す若者たち』があります。他にも、教育現場での動機づけや自己形成、社会心理学に関する貴重な研究が数多く存在します。

速水敏彦の研究は、日本の教育心理学の発展に寄与し続けており、これからの若者たちの心理的発展に影響を与える重要な知見を提供しています。彼の業績は、教育現場のみならず広く社会に価値ある視点を提供し続けています。

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