連合データベース

連合データベースシステムとは

連合データベースシステム（Federated database system）は、複数の独立したデータベースを統合し、単一の仮想的なデータベースとして利用できるようにする技術です。これはメタデータベース管理システム（DBMS）の一種であり、ネットワークを介して接続された、地理的に分散している可能性もある多様なデータベースを、ユーザーに対して透過的に統合します。

自律性と統合

連合データベースシステムの重要な特徴は、各データベースが自律性を維持している点です。つまり、各データベースは独立して運用され、他のデータベースの操作に直接影響されることはありません。この自律性が、複数の異質なデータベースを統合する際に、中央集権的なデータベースシステムとは異なる柔軟性を提供します。

連合データベースシステムは、それぞれのデータベースの完全な統合を目指すのではなく、必要なデータのみを統合し、論理的な連合データベースを構築します。これは、データ統合の複雑さを軽減し、既存のシステムへの影響を最小限に抑える効果があります。

連合データベースアーキテクチャの定義

連合データベースアーキテクチャの初期の定義は、McLeodとHeimbignerによって提唱されました。彼らの論文では、データベースを相互接続し、データベースシステム間の部分的な共有と同期を可能にするアーキテクチャが示されました。このアーキテクチャは、中央管理を最小限に抑え、各データベースの自律性を維持しながら、データ共有と統合を可能にする枠組みを提供しました。

連合データベースの概念

連合データベース（または仮想データベース）は、連合データベースシステムが統合した、全てのデータベースを論理的に統合したものです。これは、単一のデータベースのように見えますが、実際には複数の独立したデータベースから必要なデータを取り出し、統合したものです。連合データベースは、ユーザーに対してデータの一貫性を提供し、分散しているデータを意識することなく利用できるようにします。

連合データベースシステムの利点

連合データベースシステムの主な利点としては、以下の点が挙げられます。

既存システムの活用: 既存のデータベースシステムをそのまま利用できるため、大規模なシステム変更を必要としません。
柔軟性: 各データベースは独立して運用できるため、システムの変更や拡張が容易です。
データ共有: 異なるデータベース間でデータを共有し、一貫性を保つことができます。
分散環境: 地理的に分散したデータベースを統合し、グローバルなデータアクセスを実現できます。

連合データベースシステムの課題

一方で、連合データベースシステムには以下の課題もあります。

データ統合の複雑さ: 異質なデータベースを統合するため、データ形式や意味の違いを解決する必要があります。
性能: 複数のデータベースに分散したデータを扱うため、性能の最適化が重要になります。
トランザクション管理: 複数のデータベースにまたがるトランザクションの管理が複雑になります。

まとめ

連合データベースシステムは、複数の自律的なデータベースを統合するための重要な技術です。既存のシステムを最大限に活用しながら、データ共有と統合を実現することができます。ただし、データ統合の複雑さや性能の最適化など、解決すべき課題も存在します。

関連項目

MDM（マスターデータ管理）

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