連合農学研究科

連合農学研究科とは

連合農学研究科（れんごうのうがくけんきゅうか、英語表記: The United Graduate School of Agricultural Sciences）は、複数の国立大学が共同で運営する、農学分野における博士後期課程の大学院研究科です。これは、参加する各大学の資源や研究能力を結集し、高度な専門知識と優れた研究能力を持つ人材を育成することを目的としています。独立した研究組織として位置づけられており、現在、全国に6つの連合農学研究科が設置されています。

全国に設置される研究科

日本国内には、以下の6つの連合農学研究科が存在し、それぞれ異なる大学群によって構成されています。

岩手大学大学院連合農学研究科
岩手大学を中心に、弘前大学、山形大学が連携して教育研究を行っています。
東京農工大学大学院連合農学研究科
東京農工大学が主となり、茨城大学、宇都宮大学が参加しています。
岐阜大学大学院連合農学研究科
岐阜大学と静岡大学の連携による研究科です。
鳥取大学大学院連合農学研究科
鳥取大学、島根大学、山口大学の3大学が協力しています。
愛媛大学大学院連合農学研究科
愛媛大学を基盤に、香川大学、高知大学が連携しています。
鹿児島大学大学院連合農学研究科
鹿児島大学を中心に、佐賀大学、琉球大学が共同で教育研究を進めています。

沿革

連合農学研究科の設置は、1980年代半ばに始まりました。その歴史は以下の通りです。

1985年（昭和60年）4月
最初に、東京農工大学大学院連合農学研究科（構成：東京農工大学、茨城大学、宇都宮大学）と、愛媛大学大学院連合農学研究科（構成：愛媛大学、香川大学、高知大学）の二つが設置され、活動を開始しました。
1987年（昭和62年）4月
鹿児島大学大学院連合農学研究科が新たに設置されました。設立当初の構成大学は、鹿児島大学、佐賀大学、宮崎大学の3大学でした。
1989年（平成元年）4月
鳥取大学大学院連合農学研究科が開設されました。鳥取大学、島根大学、山口大学が協力して運営にあたりました。
1990年（平成02年）4月
岩手大学大学院連合農学研究科が設置されました。岩手大学に加え、弘前大学、山形大学、帯広畜産大学が設立時の構成大学でした。
1991年（平成03年）4月
岐阜大学大学院連合農学研究科が設置されました。岐阜大学、信州大学、静岡大学が連携を開始しました。
1992年（平成04年）4月
鹿児島大学大学院連合農学研究科に琉球大学が新たに加わりました。これにより、鹿児島大学、佐賀大学、宮崎大学、琉球大学の4大学による体制に拡充されました。
2007年（平成19年）4月
鹿児島大学大学院連合農学研究科において、構成大学の見直しが行われ、宮崎大学が離脱しました。この再編により、鹿児島大学、佐賀大学、琉球大学の3大学による現行体制となりました。
2010年（平成22年）4月
岐阜大学大学院連合農学研究科でも構成大学の変更があり、信州大学が離脱しました。これにより、岐阜大学と静岡大学の2大学による現行体制へ移行しました。
* 2018年（平成30年）4月
岩手大学大学院連合農学研究科から帯広畜産大学が離脱し、岩手大学、弘前大学、山形大学の3大学による現行体制に再編されました。

これらの沿革は、時代とともに変化する高等教育のニーズや大学連携のあり方を反映しており、各研究科は現在に至るまで農学分野の最先端研究と人材育成を担っています。

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