連結送水管

連結送水管と連結散水設備の概要

連結送水管（れんけつそうすいかん）は、消火活動において消防隊が活用する重要な設備です。この設備は、特に外部からの消火活動が難しい高層建築物や広範囲にわたる地下街などに設置されます。この記事では、連結送水管とその関連設備である連結散水設備について詳しく説明します。

連結送水管の構成

連結送水管は、主に以下の3つの要素で構成されています：送水口、送水配管、放水口です。

送水口

送水口は、ポンプ車が容易に接近できる位置に設けられています。その高さは床面から50センチメートルから1メートルの間であり、次のように設置形式が異なります。スタンド式と壁面埋込式があり、通常は接続口が2つの双口型が使用されます。この設計により、迅速な消火用水の供給が可能になります。

送水配管

送水配管には、乾式と湿式の2つのタイプがあります。乾式は、配管内を常に空にしておくタイプで、小規模な送水管や寒冷地域で採用されることが多いです。この方式では、消火訓練や放水試験の後に、水を排出する必要があります。一方、湿式は、配管内に常に水が入っており、より高層の建物に適しています。特に11階以上、または高さ70メートル以上の建物には湿式が原則となり、その場合には、ポンプ車による送水を補助する加圧送水装置も設けられます。

放水口

放水口は、各階の階段室や非常用エレベーターのロビーなど消火活動が行いやすい場所に设置され、床面からの高さは送水口と同様に50センチメートルから1メートルです。10階以下の建物では単口型が用いられますが、11階以上の場合は単口型2台または双口型が使用されます。放水口には開閉弁を収納するための箱が設けられ、予め規定されたサイズに合わせた標識が取り付けられます。

消防隊以外の人々がこの設備を使用することは基本的には許可されておらず、日常的には送水口や放水口付近に物を置かないようにすることが求められています。

連結散水設備の詳細

連結散水設備は、防火対象物の地階部分や大規模な地下街に設置されるもので、床面積が700平方メートル以上の場所に供給されます。この設備もポンプ車から加圧された消火用水を使用し、散水ヘッドから消火水を散布します。

この散水設備には、「閉鎖型」と「開放型」という二つの方式があります。閉鎖型は、火災時の熱によって散水ヘッドが開栓し、散水が開始されます。一方、開放型は、散水ヘッドに感熱部がないため、乾式配管に水を送って散水します。

送水口は連結送水管のものに似ていますが、連結散水用の標識や系統図が近くに設置されている点が特徴です。また、開放式散水ヘッドが4個以下の場合には単口型が用いられることもあります。

まとめ

連結送水管および連結散水設備は、消火活動において重要な役割を担っています。これらの設備が適切に機能することで、火災時の迅速な消火が可能になり、多くの生命や財産を守る助けとなるのです。消防設備についての理解を深めることは、全ての人々にとって重要です。

もう一度検索