連続立体交差事業

連続立体交差事業について

連続立体交差事業とは、鉄道線路を高架または地下に移設し、道路との立体交差を3箇所以上新設することを目的とした取り組みです。この事業は、都市内の交通混雑を緩和し、鉄道と道路の相互干渉を避けることを目指しています。

事業の主体

この事業は、都道府県や政令指定都市、県庁所在地、人口20万人以上の都市、さらには東京23区が主体となって実施されます。

構造形式

連続立体交差事業には、主に以下の二つの構造方式があります。
1. 高架方式
- 仮線方式: 既存の線路を仮線に切り替え、その跡地に新たな高架橋を建設します。
- 別線方式: 既存の線路の隣に新しい高架橋を設置します。
- 直上高架方式: 既存の線路の真上に高架橋を建設します。
2. 地下方式
- トンネル工法を用いて地下に線路を設けます。

事業の歴史

高架化工事

連続立体交差事業の代表例として、神戸市街線（JR神戸線）の高架化工事が挙げられます。この工事は1918年に始まり、1922年から1927年にかけて高架改築工事が行われました。既存線の移設とともに新たに高架橋が建設され、1931年には完成しました。その後、1937年にさらに高架橋が完成し、最終的な工事は1939年に終了しました。

地下化工事

地下化の先駆けとして、新京阪線（現：阪急京都本線）での工事が1928年から行われました。この工事は市街化が進む中で、地下線としての乗り入れを実現するために着手され、1931年には成果を上げて西院駅と大宮駅が開業しました。

鉄道高架化の確立

1964年8月には、建設省と日本国有鉄道（国鉄）が鉄道高架化に関する費用負担の覚書を締結。高架化の基準として、道路と鉄道の立体交差が3箇所以上、新設されることが要件となりました。この方針に基づいて多くの事業が実施されていくこととなります。

事業の内容

1968年には、鉄道高架化に関する協定が再整備され、国鉄からの要望を受け付ける形で事業が推進されました。都市計画として具体的な施行内容が示され、地方公共団体が主体となって鉄道区間の高架化や地下化が進められることになりました。

事業の採択基準

この事業の採択基準には、鉄道区間と道路との立体交差を3箇所以上設け、幹線道路の中心間距離が350メートル以上であること、踏切の除却が2箇所以上であることが求められます。

費用の負担

連続立体交差事業に関する費用の負担率は、初期段階では国鉄と道路側で半分ずつ負担していましたが、その後、地域ごとの負担率が設定されるようになりました。たとえば1992年には、地域ごとの負担比率が詳細に決定され、2007年にはさらに見直しが行われました。

関連事業の展開

この事業は高架化だけでなく、逆立体化事業として高架道路を地上に降ろし、鉄道を高架に切り替える事業も関連して進められています。また、連続立体交差事業に伴う街路事業や市街地再開発事業も実施されています。

連続立体交差事業は都市の交通効率を高めるだけでなく、安全な通行環境を提供するための重要な取り組みであり、今後も持続的な発展が求められる分野となります。

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